今日は昼寝をしたり、DVDを観たりして、のんびりと過ごしました。
DVDは、「STAR SAND 星砂物語」という魅力的なタイトルの作品を観ました。
1945年4月、 戦火を逃れ、沖縄の小さな離島に移り住んでいる16歳の少女。
彼女は毎日のように、小さな浜辺に出かけては、海にもぐって星砂を取り、牛乳瓶に詰めて大切に保管しています。
沖縄本島では血で血を洗う日米の決戦が繰り広げられていますが、離島は平和そのもの。
ある時、浜辺近くの洞窟で、日本の脱走兵と米国の脱走兵と出会い、二人が奇妙な共同生活をしていることを知ります。
二人は殺し合いを否定し、ひたすら戦争が終るのを待っています。
そこへ、日本人脱走兵の兄が、負傷して合流します。
この兄は、皇軍の栄光を勝利を信じる狂気染みた男で、おそらくは当時の日本の風潮を象徴しているように思われます。
暇さえあれば座禅を組み、迷走にふける日本人脱走兵。
彼は日本軍の狂気に対し、冷静さと平和を象徴しているようです。
やがて、米国人脱走兵と恋に落ちる少女。
そして、現代の東京で卒業論文に悩む女子大生が同時並行的に描かれます。
女子大生は洞窟に残っていた少女の日記を指導教授から渡され、これで卒業論文を書こうと決意します。
1945年の沖縄の離島で繰り広げられる狂気と、現代の東京の平和な生活が対照的です。
指導教授が、日記を残した当時の少女が今も存命であることを突きとめ、女子大生に会ってみることを勧めます。
交差する1945年と現在。
ラストは凄惨なものですが、かすかな希望を感じさせます。
沖縄の美しい海、空。
米兵と少女の恋。
美しい映像のなかに、戦争の狂気が静かに映し出されます。
反戦を声高に叫ばれると白けてしまいますが、このように美しい映像のなかに、戦争の狂気が描かれると、説得力をもって、平和への希求が感じられます。
ややもすると退屈になりそうなストーリーですが、不思議な緊張感をはらんで、観る者を飽きさせません。
所々物語の破綻が見られますが、それを補ってあまりある映像美であったと思います。
![]() | STAR SAND 星砂物語 [DVD] |
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