このところ5月に処方されたメイラックスという超長時間型抗不安薬がよく効いているようで、調子が良くなってきています。
他にも前から飲んでいる薬が何種類もあるので、それらとの相乗効果かと思われます。
精神病薬は偉大な発明です。
しかも近年の新薬の開発は驚くべきスピードで進んでおり、この勢いだと精神病など駆逐できるのではないかとさえ思ってしまいます。
昔「カッコーの巣の上で」という精神病棟の世界を描いた映画がありました。
刑務所での強制労働から逃れるために詐病により精神病棟に移った主人公。
これをジャック・ニコルソンが演じています。
せっかく詐病で刑務所から逃れたというのに、彼は治療なんかよりテレビでワールドシリーズを見せろと騒いだり、乱痴気騒ぎを起こしたりして、精神病棟の問題児となってしまいます。
最終盤に至って、彼は強制的にロボトミー手術を施され、ほぼ廃人のようになってしまいます。
彼を見たネイティブアメリカンで親友の男は彼を憐れんで眠りについた後枕を顔に押し付けて殺害に及びます。
そしてネイティブアメリカンの男は深夜、独りで脱走していくのです。
いわゆるアメリカンニューシネマの名作と言われます。
他にも「俺たちに明日はない」「わらの犬」など、それまでのアメリカ映画に無かった暴力的な映画が多く制作され、今では暴力を描かないほうが珍しいという時代になりました。
私は長年のホラー映画ファンでしたが、最近は観なくなりました。
あまりに強い刺激に慣れてしまって何を観ても怖くなくなってしまったことと、精神の衰えが原因だろうと思っています。
要するに面倒くさいのです。
仕事が面倒くさいのは昔からですが、好きなホラー映画を観る(あるいは観に行く)ことさえ面倒くさいのですから情けない。
世の中に 楽しみ多し しかれども 酒なしにしてなにの楽しみ
若山牧水の短歌です。
結局精神が衰えても楽しいのは酒に酔うことくらいなのでしょうか。