幽民奇聞

文学


 昨日、今日と関東南部に雪が降りました。
 車通勤の私には辛い事態です。
 冬タイヤを履いていないし、チェーンも持っていません。
 年に一度あるかないかの雪のために冬タイヤに履き替えたりチェーンを持ったりするのは馬鹿々々しいと思ってずうっとノーマルタイヤを履いていますが、その年に1度あるかないかが起きてしまいました。
 明日の出勤が憂鬱です。

 雪の中、投票に行きました。
 思いのほか多くの人が投票所に訪れており、極端な低投票率にはならないのではないかと思います。

 昨日、じつに久しぶりに小説を読みました。
 当代の小説家で私が最も偏愛する恒川光太郎先生の最新作、「幽民奇聞」です。








 この人らしい幻想的でどこか切ない物語が語られます。
 「キ」と呼ばれるこの世の外に出来上がった組織と、そこに在籍することになった少年の物語です。
 「キ」が何を意味するか、最後まで明らかにされません。
  鬼とも呼ばれます。
 明治中頃までは確かに存在していたと信じる民俗学者が「キ」の調査を始めるとことから話は始まり、「キ」の秘密結社めいた実態が分かってくる、という趣向です。
 この作者の小説にはこの世ならぬ者が多く登場します。
 この世ならぬ者への予感を持たぬ者には楽しめないでしょう。
 というよりも、その予感が無ければあらゆる物語に接する資格は無いものと考えます。