能の雅 狂言の妙

美術

  
 今日は猛暑をおして六本木、サントリー美術館に出かけました。
 「能の雅 狂言の妙」展です。

 おそらくこれほど大規模な能・狂言に関する展覧会は、史上初ではないでしょうか。
 衣装、面、小道具、大道具、それに絵巻まで、展示物は多岐に渡っており、私はしばし陶酔しました。
 国立能楽堂が集めたコレクションということで、私はそう広くもない美術館を二時間近くもさまよったのでした。

 能楽は演劇や舞踊としてだけではなく、それに関わるあらゆるものが美的なのです。
 
 その洗練された美は、私のわずかな知識からすると、世界に例を見ないものです。
 
 このような幻想的な総合芸術を生みだした我がくにの祖先たちの優れた感性には、驚嘆せざるをえません。
 その芸術性は、古典でありながら前衛的で、先進的です。

 三島由紀夫は「近代能楽集」を著しましたね。
 能は今なお、進化し続けているのです。

近代能楽集 (新潮文庫)
三島 由紀夫
新潮社