英国のノーベル賞作家、ウィリアム・ゴールディングの「蝿の王」を映画化したものを昨夜見ました。
飛行機が海に墜落、乗っていた陸軍少年兵学校の生徒たちが、ゴムボートで命からがら南洋の無人島にたどり着きます。
最初は、ルールに則り、規則正しく生活しますが、やがて、規律を守ろうとする一派と、無人島の主として狩りや釣りを楽しみ、好きなように生きていこうとする一派とに分かれ、しかもどんどん好きにやっていこうという派の人数が増えていきます。
彼らは顔に赤と黒のペイントをし、木の槍を持ち、豚をとらえては豚を丸焼きにしながら踊り狂います。
英国紳士たるべき陸軍少年兵学校の生徒にあるまじき行為です。
残りわずかになった規律派ですが、話し合いを持とうとしていさかいを起こし、ついには殺されてしまいます。
四面楚歌となった規律派のリーダーは、ジャングルの中を必死で逃げます。
そしてそれを追う顔にペイントをし、槍をもった軍団。
大人顔負けの紛争を戦っている彼ら、海辺に現れた軍のヘリコプターを見て、急にあどけない子どもに戻ってしまいます。
小説では、規律正しい英国軍人の卵たちが、やがて崩壊し、ついには殺人にまで手を染める様が丹念に描かれていたのですが、映画では時間的制約のせいか、すべてが唐突な感じがしました。
脚本に問題あり、です。
映画を見るより小説を読んだほうが楽しめるでしょうねぇ。
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