文学 何者
昨夜は「イン・ザ・メガチャージ」で本屋大賞を取った朝井リョウの直木賞受賞作「何者」を読了しました。 5人の就活生の群像劇になっています。 学生らしいあれこれが語られ、いわゆる青春小説かと思わせますが、ラストに至って、そんな生易しいものでは無いと気づきます。 ツイッター(当時)に裏アカを持つ主人公。 彼は観察者として、仲間たちの行動を観て、裏アカでそれらを批評するのです。 お前は一体何者なんだ?、と。 それが友人の一人にばれてしまいます。 責められる主人公。 お前は一体何者なんだという問いは、当然、自分に返ってきます。 スリリングな展開でした。 私は就職して35年目を迎えていますが、何者にも成っていないし、何事もなしていないと感じています。 ただ目の前の仕事をこなし続けただけです。 就活生が自分は何者かなんて分るはずがありません。 しかし彼らは、自分がいっぱしの何者かであると信じて就活に臨み、何者であるかを問うています。 私は56歳で何者でも無い、鵺(ぬえ)のような存在になり果ててしまいました。