タダイマトビラ

文学


 昨夜は村田沙耶香の「タダイマトビラ」を一気読みしました。








 私はこの作者の作品が得意ではありません。
 作家仲間からクレイジー沙耶香と呼ばれるほどの狂気じみた作品ばかりだからです。
 独特の世界観で、現代社会のシステムを切って捨てます

 この作品では、自分の家族を失敗作と感じている少女が、理想の結婚をして成功した家族を作ることを夢見る場面から始まります。
 幼い恋を経験し、高校生になると大学生と付き合うようになり、彼からプロポーズされます。

 ここまでは普通の意匠を纏っています。

 しかしここで少女は彼に嫌悪を感じ、腹を思いっきり蹴とばして逃げ出してしまいます。
 少女は結婚や家族という概念はあるべきではなく、それよりも前の、システムが誕生する前の世界に帰らなければならない、と強く感じます。
 そしてバラバラだった家族が仲良くなって家族ごっこを始めるに至り、彼女の何かが弾けます。

 このシーン、怖気を感じるほど不気味な迫力に満ちています。
 苦手だと思いながら、書店で見かけるとつい、手にとってしまいます。
 通販で買うことはありません。
 空恐ろしい小説家です。