今日は大暑ですね。
その名のとおり、ここ数日は猛烈に暑いですね。
外に出ると息苦しいような感じで、鯉のように口をパクパクさせてしまいます。
日本人は猛暑に苦しみながら、夏を楽しんでもきました。
炎天を 槍のごとくに 涼気すぐ
飯田蛇笏の句です。
炎天下、一陣の涼気が槍のように過ぎて行った、という意味でしょうか。
涼しさを槍にたとえるとはなんとも豪気です。
飯田蛇笏一流の表現ですね。
少し色っぽく、
サラリー数ふ 恋ざかりなる 日盛りに
私と同世代の俳人、高山れおなによる句です。
汗をかきながら給料を数え、デートの算段でもしているのでしょうか。
微笑ましいですね。
さらに艶っぽく、
行水の 女にほれる 烏かな
高浜虚子の手になる句です。
昔は盥に水をはって、庭で行水をしていましたから、女が裸で庭に出ていたのですね。
その色香にカラスが迷う、というわけで、カラスというところが良いですね。
趣向を変えて、
かぶと虫 昔いぢめし 男の子
現代を代表する俳人、黛まどかの句です。
子供の頃、かぶと虫を捕まえに行って、からかったあの男の子はどうしているだろう、という初恋を追慕する句と読みました。
少女期を思い出す切なさが感じられます。
現代 涼しさ すづす涼しさ炎天を槍のごとくに涼気すぐ