昨夜は暗いDVDを観ました。
「マシニスト」です。
一年も不眠に悩む旋盤工の役を、「バットマン」のクリスチャン・ベールが演じています。
この役のために30キロもの減量をしたというその姿は、絶滅収容所を生き残ったユダヤ人や、バターン死の行軍を生き残った日本兵のような凄惨な痩せ方です。
一瞬モノクロかと見間違えるほど暗い映像は、独特の灰色と青が印象的で、この映画の雰囲気を盛り上げています。
不可解な出来事が頻発し、何者かに陥れられようとしていると悩む旋盤工を癒してくれるのは、旋盤工が通い詰める娼婦と、空港のウエイトレスだけ。
しかしその二人に対してさえ、自分を陥れる組織の一員なのではないかと疑惑の目を向けます。
職場では同僚を罵倒し解雇されます。
孤独と絶望のなか、旋盤工を襲う不可解な出来事のなぞが明かされます。
雰囲気が抜群に良いサイコ・サスペンスです。
主人公の苦悩が、痛いほど胸に突き刺さってきます。
そして最後まで謎めいたシーンが連続し、観る者はまるで迷宮を彷徨うかのごとくです。
ただ、オチは平凡です。
オチの平凡さを考慮しても、お薦めの一作です。
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