フランスのカルト・ホラー「変人村」を観ました。
ヨーロッパらしいおどろおどろしい雰囲気は最高でしたが、もう一つパンチに欠けるような気がします。
ナイト・クラブで遊んでいた三人の若者が、そこで知り合った二人の女性と良い雰囲気になり、女性が住む家に泊まりに行くことに。
郊外、とは言っていましたが、郊外どころかド田舎、野中の一軒家です。
そこは立派なお屋敷でしたが、住んでいるのは女と使用人夫婦だけ。
そこにしばらく滞在するのですが、使用人、明らかに変です。
頭が弱いのかなんだか知りませんが、よくもこんなに変人を演じられるものだ、と感心させられます。
やがて使用人夫婦及び主にあたる若い女はどうやら悪魔崇拝者で、儀式に必要な生贄を求めていたと知れます。
日本人のホラー好きは、悪魔とか神とかいう話になると、急に白けちゃうんですよねぇ。
そういう概念を私たちは受け入れられないようです。
悪も善も相対的なもので、絶対善とか絶対悪とかいうものは存在しえないでしょう。
石川淳が「至福千年」で、悪党に「悪を極めて聖にいたる」と語らせています。
私には悪魔崇拝よりこちらのセリフのほうが、素直に腹に落ちるのです。
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ヴァンサン・カッセル.オリヴィエ・バーテレミー,ロクサーヌ・メスキダ,ニコラス・ル・パタン,レイラ・ベクティ | |
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石川 淳 | |
岩波書店 |