今日はやや難解なSF映画「サブリミナル」をDVDで鑑賞しました。
結婚寸前に婚約破棄された青年、自殺未遂を繰り返す女子美大生、イラク戦争から帰国後、精神を病んで入院中に失踪した息子を探す父親、ロンドンで暮らす何の関係もない3人の物語と、架空の都市、ミーンワイル・シティで新興宗教の教祖暗殺を企む謎の覆面男の物語が、脈絡もないまま同時並行で進みます。
観る者はわけもわからぬまま、灰色を基調とした暗い映像の中に引き込まれていきます。
やがてミーンワイル・シティの覆面男は、イラク帰りの兵士が深層意識の中で築きあげた架空の世界だということがわかります。
婚約破棄された青年は少年の頃空想の中で作った恋人だった女性と再会、女子美大生は自分の意識を探るために自殺未遂の映像を録画し続けます。
それぞれに心に傷を負った登場人物たち。
彼らが偶然あるレストランで一堂に会するとき、悲劇が起こります。
1981年の大作「愛と悲しみのボレロ」と構成が似ているな、と思いました。
1930年代から60年代までの30年に渡る4つの家族の絵空事めいた悲喜劇を、パリ、ベルリン、モスクワ、ニューヨークを舞台に同時並行で描き、ラスト、パリでボレロの公演が行われ、ある者はダンサーとして、また、テレビ中継の司会として、また、歌手として、あるいは観客としてその場に集まり、互いを知らぬままボレロの哀調を帯びたメロディが高らかに歌い上げられる、という物語で、10代の頃観て非常な感銘を受けました。
「サブリミナル」は、「愛と悲しみのボレロ」のような壮大な叙事詩ではありませんが、どこか哀調を帯びた感じが、私の心に感応しました。
観て損はないと思います。
![]() | サブリミナル [DVD] |
ジェラルド・マクモロー,ジョビィ・タルボット,ジェレミー・トーマス | |
アット エンタテインメント |
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ジェームズ・カーン,ロベール・オッセン | |
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![]() | ラヴェル:ボレロ |
カラヤン(ヘルベルト・フォン),ラヴェル,ラヴェル,ムソルグスキー,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 | |
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