なんとも陰鬱な映画を観ました。
「ANTI CHRIS♀ アンチクライスト」です。
ある夫婦。
性交の最中、幼い息子が窓から転落し、死んでしまいます。
激しい自責の念と落ち込みに襲われる妻。
セラピストの夫は、妻を救おうとします。
妻の心の底にあるエデンという森に対する恐怖を知り、夫婦はエデンにある山荘に滞在します。
夫の献身的な努力によって、回復したかに見えた妻。
しかし妻は、中世ヨーロッパの魔女狩りに対する批判を旨とする論文を書こうとして得た知識から、女はそもそも魔女である、という批判すべき考えを信じるようになります。
凶暴化し、自慰や性交を過剰なまでに求める妻。
息子を死なせた母親の絶望は、救いようが無い悲劇を生んでいきます。
この映画はあまりに露骨な性描写や残虐シーンが話題を集め、カンヌ映画祭では上映後、スタンディング・オベーションとブーイングが相半ばしたとか。
評価の難しい映画です。
ただし、タイトルにあるような、反キリストの悪魔的な所業を描いた映画ではありません。
人間が持つ根源的な救いようの無さ、愚かさを描いたものと思われます。
同じ監督の手になるニコール・キッドマン主演の名作「ドッグ・ヴィル」も後味の悪い作品でしたが、こちらは輪をかけて悪いです。
ご覧になる方はそれなりの覚悟が必要です。
私としては、あまりお勧めできません。
いやぁな気分になるからです。
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