昨夜は久しぶりに掘り出し物に当たりました。
「ストーカー」です。
タイトルは邦題で、原題は「One Hour Photo」です。
「ストーカー」だと狂気じみたストーカーとその恐怖、みたいなイメージですが、そういう内容ではありません。
独身で友達も恋人もいない、孤独な初老の男の哀しみを描いた映画です。
名作と言ってもいいでしょう。
脚本、演出がしっかりしているのはもちろん、主演のロビン・ウィリアムズがじつに良い味を出しています。
One Hour Photoというのは、直訳すると一時間で写真を、ということですが、ここでは大型スーパーなどにあるDPEショップを指しています。
大型スーパーのDPEショップに勤めるサイ。
彼は確かな現像技術で、デジカメ全盛の世にあって、フィルム写真を扱っています。
彼はお得意客の一人、美人妻のニーナに密かに想いを寄せており、ニーナが結婚してサイの店に来るようになって以来、もう10年もニーナが持ってくる幸せな家族の写真をこっそり焼き増しし、自宅の壁に張っています。
しかし彼が夢想しているのはニーナを寝取ることではありません。
ニーナの家族と親しくなって、ニーナの子どもから実の伯父のように慕われ、ニーナ一家と笑顔で写真を撮ること。
切ないですねぇ。
旦那から奪おうというのではなく、旦那もろともお付き合いがしたいなんてねぇ。
しかしある時、旦那の不倫相手が持ってきたフィルムにより、旦那がニーナを裏切っていることを知ります。
旦那と不倫相手を激しく憎み、ニーナと子どもに同情するサイ。
それはやがて狂気を帯び、周到に旦那を懲らしめようと決意します。
誰も死なない、誰も肉体的には傷つかない、サイ一人が悩み苦しみ、小さな罪を犯す。
取るに足らない罪ですが、それはサイを精神的に破壊することになります。
サイコ・サスペンスという分類になるのでしょうが、文芸作品と言ったほうが良いかも知れません。
緊張感のある映像で、ぐいぐい魅せます。
是非ご覧ください。
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