今日は三週間に一度の精神科の診察でした。
自覚的には完治していると思っていますので、「今、特に不安なことや憂鬱なことはなく、躁状態も5年くらい起きていない」と言ったところ、なんだか振り返りみたいな話になってしまいました。
主治医はひとしきり、職場の組織改革に伴う激務から適応障害を発症し、半年の病気休暇の後、今の職場に異動し、順調に回復していたのにパワー・ハラスメントに遭遇、弁護士を立てて謝罪と損害賠償を勝ち取るも、そのためにエネルギーが枯渇して再び病に倒れ、9か月に及ぶ再度の病気休暇、そしてリワーク・プログラムを経て復帰し、その間職場で事務体制の見直しなどを乗り切って、四年目に入って初めて成績率が「優秀」と認定されたことを回想しました。
その間、強制入院も考えたとか。
「この10年、とびおさんの人生は小説のように波乱万丈でしたねぇ」
と、言った後、
「あ、でも、書いてはいけませんよ。とびおさんは書きはじめると躁転してしまう可能性が高いですから」
と、精神科医らしい忠告を付け加えることを忘れませんでした。
確かにここまで回復するのは容易なことではありませんでした。
失われた10年とでも言うべき長い長い時間です。
しかし、そのおかげで、就職してからでは初めて、両親と奈良や京都に旅行に出かけることができました。
それは自分で行く旅行とは大違いの大名旅行。
その時はなんとなく億劫でしたが、父を亡くしてみると、貴重な思い出です。
また、同居人には感謝しています。
余計なことは言わず、ただ、毎夜のように愚痴をこぼしては涙を流す私に付き合ってくれたのですから。
自殺への衝動を抑えることができたのは、同居人がいたからです。
独り暮らしだったら、きっと今頃墓の下だったことでしょう。
この10年が元気であったなら、と思わないでもありませんが、過ぎたことを変えることはできません。
変えることが出来ない以上、滅多にできない貴重な経験をしたと肝に銘じ、今後の健康維持に努めたいと思います。
そして多くの精神障害を患う友人知人、さらにすべての障害者の回復を願ってやみません。