無事、研修を終えました。
研修の最後はメンタルへルスの講習でしたが、嬉々としてしゃべる臨床心理士のおばちゃん、気持ち悪かったですねぇ。
私は精神障害を克服するにあたって、医者やリワークなど、様ざまな社会資源に頼り、同居人にも頼りましたが、結局のところ、おのれ独りの力で立ち直ったと、今も思っています。
夫婦だろうと、親子だろうと、兄弟だろうと、心配してくれているのは分かります。
精神科医も様ざまに薬の処方を変えて、患者に合うように尽力してくれいているのも分かります。
臨床心理士が患者の話をよく聞いてくれているのも分かります。
また、ピュア・カウンセリングと呼ばれる、患者が患者の話を聞くのも、やむにやまれぬ思いからだと、分かっている積もりです。
しかし、最後の最後、おのれの精神に向き合っておのれ独りを救うのは、本人の七転八倒の苦しみから生まれる一種の諦めでしかありえないということを、私はよく知っています。
したがって、こうきたらこう応えればよいみたいな、テクニカルな臨床心理士の話には、白ける他ありませんでした。
あんな話だったら、私がおのれ独りの実体験を語ったほうが、よほど研修生の心に響いたことでしょう。
まぁ、それはともかく、せっかく16時半に帰宅できたので、またもやDVDを鑑賞しました。
スペインの心理劇、「フリア よみがえり少女」です。
子どもの頃悪友と遊びに行って、ちょっとした悪戯で悪友の幼い妹を死なせてしまったことを後悔している小学校教師。
ある時その悪友が訪ねてきて、自分の娘が妹の生まれ変わりのように思える、と相談しますが、教師はそんな話馬鹿馬鹿しい、と追い返してしまいます。
ほどなく、悪友は自殺。
なかなか子どもが出来ないことを苦にしている教師の妻が、しばらくの間、その悪友の娘を引き取ろうと提案。
教師は気乗りしないまま、それに同意。
しかし引き取ってみると、まさに悪友の妹の生まれ変わりとしか思えない行動の数々に、忘れていたと思っていた過去の辛い思い出を思い返して、教師はおかしくなっていきます。
しかし、少女がそういう行動に出るには訳があります。
愛娘を失って以来、精神病院に入退院を繰り返していた祖母が、時折会う孫娘を溺愛し、事故死した娘そのものだと思い込み、孫娘にそれを繰り返し語り、孫娘は幼いがゆえに、祖母が望むような行動を続け、結果、父たる男も悪友たる教師をも恐怖に陥れる存在に化けてしまうのです。
物語の当初は心霊ホラーなのかなと思いましたが、観ているうちに、これは罪の意識を抱えたまま生きなければならなかったかつての少年たちの悲劇であると気付きます。
それとともに、少女が持つ、愛されるためのテクニックを身につける様が、なまじっか幽霊が出たり化け物が出たりする王道のホラーよりもよほど怖ろしく感じました。
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