ホラー映画好きの私がうんざりするほど悪趣味な映画が、「悪魔のいけにえ」シリーズでしょうねぇ。
邦題は「悪魔のいけにえ」ですが、原題を直訳すると、「テキサス電動のこぎり殺人事件」。
1980年代に盛んに製作された血まみれスプラッター・ムービーの原点となった作品で、必ず登場するダーク・ヒーローの原点でもあります。
昨夜は、新作「悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲」を、吐き気を伴いながら夢中で観てしまいました。
すんごいです。
ダーク・ヒーローの原点は、その名も、レザー・フェイス。
一切セリフはなく、笑っちゃうほど残虐に描かれています。
190センチはあろうかという大男ながら、精神は幼児のままという殺人鬼。
子どもが虫を殺すように人を殺し、その顔の皮を剥いでかぶることから、レザー・フェイス。
今回、第一作から40年ぶりに後日譚が製作されましたが、これまた悪趣味。
わが国では公開にあたって18禁の指定を受けてしまいました。
殺人一家であるソーヤー家は結束が固い家でしたが、20年前にテキサスで殺人などの問題を起こし続けたばっかりに町の人々の襲撃を受けて焼き討ちにされ、根絶やしにされたはずでした。
ただ独り生き残った老婆、実は地下深くにレザー・フェイスを監禁しながら、世話をしていたのです。
焼き討ちの際赤ん坊だった女は赤ん坊であるがゆえに殺害されず、焼き討ちに加わった不妊の夫婦に養女として育てられたのです。
しかし、その老婆が死の床から弁護士を通じて豪邸などの財産を譲ると知らせ、初めて自分が養女だったことを知り、ソーヤー家を訪れたことから再び惨劇が起こります。
老女の手紙をきちんと読まぬまま、レザー・フェイスが監禁されていた地下室のドアを開けてしまうのです。
怖ろしいのはレザー・フェイスの蛮行ではなく、自分がソーヤー家の生き残りだと知った若い女の行動。
警察よりも町長よりも、レザー・フェイスに肩入れしてしまうのです。
ドフトエフスキーに「カラマーゾフの兄弟」という長大な名作がありました。
そこで盛んに3人の兄弟は「自分はカラマーゾフだから」というセリフが出てきて、4人兄弟ながら他人行儀を貫く私たちを思い、非常な違和感を覚えました。
「カラマーゾフの兄弟」、あらゆる学部の大学教員に学生に読ませたい本の1位に選ばれましたね。
長いのに嫌にならないエキサイティングな小説です。
特にキリストを批判した「異端審問官」という小説内小説は今読んでも衝撃的です。
未読の方には是非読んでいただきたく思います。
血は水よりも濃いと申します。
そうかと思うと、氏より育ちとも申します。
一体どっちが人間の真実なのでしょうね。
いずれにせよ、凄まじいばかりに残虐なホラーでした。

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