ザ・ベイ

文学

 昨夜はわりとよくできたパニック映画を鑑賞しました。
 「ザ・ベイ」です。




 米国の海辺の田舎町。
 ある時、魚が湾内で大量死しているのが発見されます。
 どうやら新種の寄生生物の仕業のようです。

 ついに人間が感染。
 一気に何百人という単位で感染が広がり、しかも体中に水ぶくれのような発疹ができて、その日のうちに亡くなってしまうという怖ろしい病気です。
 寄生虫は小さな幼虫の状態で人間の体に入り、内部の肉を食いながら成長し、大きくなると7センチにもなるのです。

 感染者がパッと見ゾンビに見える点や、なんとなく安っぽい感じを差し引いても、スピード感があり、ぐいぐいと引き込まれます。

 何より怖ろしいのは、米国政府の対応。
 田舎町につながる道路を全て封鎖し、誰も感染地帯から逃げられないようにしてしまいます。

 町の医師が政府の保健機関に必死でテレビ電話を使って応援要請をしますが、保健機関の回答は、すべての患者を置き去りにして逃げろ、というもの。
 しかし、医師本人が自身の体に浮かんだ発疹を示すと、保健機関は沈黙します。
 そこで死ねということだと理解した医師は、体が動く限り、患者の撮影を続けます。

 後世にその田舎町で起こったことを知らせるとともに、病気の正体を解明する一助になればと考えたのでしょう。
 なかなか立派な職業倫理です。

 原因は飲み水が汚染されたことにあるようで、自然保護を訴える意味もあるのかもしれませんが、それはあまり伝わらないですね。

 むしろ危機的状態にあたり、当事者はどう行動するか、責任ある機関はどんな判断を下すのか、その残酷さ、冷酷さが淡々とつづられます。

 掘り出し物だったようです。

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