文学

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最強の同盟国

このたびの選挙結果を受けて、米国のヌランド報道官はわが国を最強の同盟国の一つ、と評しました。 安倍政権が軍事力を増強し、米国にとっても脅威である中国や北朝鮮に厳しく対峙することを期待してのことと思われます。 一方、当然、中国や韓国は安倍政権を極右だとか軍国主義だとか言って不安をあおっていますね。 中国はともかく、米国を介して同盟関係にある韓国までがわが国の軍事力増強を非難するのは解せませんねぇ。 いざという時、頼れる隣国はわが国だけだと思いますが。 安倍次期総理、早くも憲法改正や教育改革など、これまでの内閣が取り上げることが少なかった大きな政策を打ち出す意志を鮮明にしています。 それらは直近の民意によって権威付けされており、当然、粛々と進めるべき基本政策です。 まずは憲法改正手続きを定めた96条の改正に着手するようです。 両院の三分の二の賛成で憲法改正を発議し、国民投票で過半数を得なければならない、という、事実上憲法改正を不可能にしている条文です。 硬性憲法と言われる所以ですね。 現在、維新もみんなも憲法改正には協力すると言っていますので、衆議院では優に三分の二をクリアできます。 しか...
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震える舌

今日は今度の土日の国際シンポジウムでの出勤のため、振り替え休日。 朝からのんびり過ごしています。 今朝は少し古い映画を鑑賞しました。 1980年製作の野村芳太郎監督に手になる、「震える舌」です。 野村芳太郎監督といえば、「八つ墓村」とか「砂の器」など、スケールの大きいサスペンスが印象に残っています。 そんな野村作品にあって、「震える舌」は異色の医療ドラマでした。 幼稚園に通う娘が破傷風に感染。 即日入院となります。 破傷風は音や光などの刺激で激しい痙攣を引き起こすことから、病室には遮光カーテンがひかれ、薄暗い中で若い両親が病室につめます。 両親の目の前で繰り広げられる残酷とも言える傷みを伴う治療が、観る者の心を打ちます。 薬効効無く、日に日に病状は悪化。 ついには心配停止まで追い込まれますが、必死の治療で回復していきます。 その間、両親は娘の死を覚悟し、日に日にやつれていきます。 とくに、今では大女優となった十朱幸代演じる若い母親は、完全におかしくなってしまいます。 これ以上の治療を拒否したり、娘を自ら殺害しようとしたり。 父親役の渡瀬恒彦も憔悴しきった表情で、娘の死を待ちます。 そん...
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退行欲求

私が残酷非道な物語を好み、ホラー映画をこよなく愛していることは、このブログをご愛読いただいている方はよくご存知のことと思います。 しかし実生活となると、私はとんだ腰抜けです。 血を見ることが苦手で、また苦しんでいる生き物を見るのも全く駄目。 だからSMという趣味嗜好は理解不能です。 サド侯爵や団鬼六、マゾッホらの小説は好むんですけどねぇ。 魚の死骸に触れることができず、そのため秋刀魚を焼くことすらできません。 鯛や鯵のはらわたを取り出すことなど、怖ろしくてとてもできません。 従って焼き魚を食すためには、同居人に全面的に頼らざるを得ず、いつもからかわれています。 釣りなんてもってのほかで、そもそも私は生き物に触れることを極端に怖れています。 蛙や蛇や虫はもちろんのこと、犬や猫に触れるのも嫌で、ほとんど触れたことがありません。 若い頃はきれいなおねぇさんに触れることだけは好きでしたが、近頃はそれもなんだか不潔な感じがして嫌になってしまいました。 不潔というのは、文字通り、物理的に不潔ということで、精神性の問題ではありません。 まして性行為などというものは不潔の極みみたいなところがあって、今...
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師走

早いもので、昨日から師走になりました。 かつて支払いのツケは大晦日までに精算することとされており、このままでは年が越せない、という言い様は、庶民感覚に合っていたものと思われます。 金策に走る寒い月だったのですねぇ。 冬ごもり 小ぜにをかりて 笑はるる 正岡子規の句です。 どこかユーモラスな感じを受けますが、精算すべき日の近くに小銭を借りるというのはよほどのことだったんじゃないでしょうか。 いそがしく 時計の動く 師走哉 こちらも同じ俳人の句です。 こちらは世間一般の慌しい師走というイメージに合っていますね。 現代では、借金をしていてもその返済期限は様ざまで、年末だからと特別慌てる必要はありません。 それはきっと人々の生活にとって良いことなのでしょうが、年内に厄介ごとは片付けて、清浄な気持ちで新年を迎えようと言うわが国古来の風習が廃れるのは寂しいような気もします。 もっとも、私が返済に窮するような借金を負ったり、ツケを持ったりしたことがないから言えることなのかもしれません。 我々サラリーマンにとっては、師走はボーナスが支給される嬉しい月でもあります。 ここ数年ボーナスは減少傾向ですが、そ...
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憂国忌

昨日、11月25日は三島由紀夫の忌日、憂国忌でした。 45歳、小説家としてまだまだこれからという時期になんであんな死に方を選んだのでしょうね。 一説には、一緒に自決した弟子の森田必勝との情死であったとも言われています。 嘘か真か、三島由紀夫の遺体を解剖したら、直腸から森田必勝の精子が出てきたとか。 彼が同性愛者であったことは公然の秘密ですが、結婚して子どももいたことを考えると、バイセクシャルだったと考えるのが自然でしょうね。 憂国忌の元になった小説「憂国」は国を憂える物語というより、憂国の情を持つ将校がひたすら情交を繰り広げるという、官能小説に仕上がっています。 そしてまた、市ヶ谷駐屯地に向かう直前に書きあげた「豊饒の海」の最終作「天人五衰」のラストの、なんと乾いてシニカルであることでしょう。 とてもこれから市ヶ谷駐屯地に出かけて自衛官にクーデター決起の檄を飛ばし、夢破れて自決する人の文章とは思えません。 激情に駆られた風がなく、極めて冷静なのです。 もともと三島由紀夫の小説は人工美の極北にあるもので、熱い感情とは無縁でシニカルなものです。 想像するに、彼は何も天皇を中心とする国家主義...
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