文学

スポンサーリンク
文学

黒田夏子なる75歳のおばあちゃんが、このほど最高齢で芥川賞を受賞したそうです。 芥川賞・直木賞の本来の目的は、有望な新人作家に賞を与えるというものでした。 ここ30年ばかりは、新人作家と言うよりは、若手のそこそこ売れている作家に与える賞というふうに性格が変わってきました。 しかし黒田夏子という人、メジャーな雑誌に発表した初めての作品が芥川賞を受賞したということで、芥川賞本来の意味あいと合致しています。 異色なのは、75歳という高齢だけです。 私は精神障害に苦しめられた過去を持ちつつ、今ではほぼ完治しています。 しかしうつ病は別名泣き病と言われるごとく、時折、ひどく涙もろくなります。 75歳の芥川賞受賞を聞いて、日頃忘れている父の死を思い出し、少し、泣きました。 父は昨年の3月に亡くなりましたが、72歳でした。  父は子どもの頃に親、私からみた祖父を亡くし、寺を維持していくのにひどく苦労したそうです。 しかし20代後半で住職におさまってからは、宗門で事務方のトップにまで上りつめ、面白おかしい人生だったと思います。  私が精神障害を患ってからは、とくに私を気にかけてくれ、差しで6時間も飲ん...
文学

薮入り

江戸から大正時代くらいまで、薮入りと呼ばれる日が年に2回あったそうですね。 1月16日と7月16日。 この日は奉公人が休みをもらい、実家に帰ることが許されたそうです。 奉公先からきれいな着物を借り、小遣いを貰って実家に堂々と帰れるうれしい日だったようです。 実家が遠くて帰れない奉公人は、芝居を観に行ったりして薮入りを楽しんだようです。 大正時代にはこの日は活動写真が大混雑したとか。 やぶ入りの かくしかねたる 白髪哉 小林一茶の句です。 なんだか苦労がにじみ出ているようで、切ないばかりです。 薮入の 田舎の月の 明るさよ  高浜虚子の句です。 なんとも解放感があって良いですが、それも一日かぎりのことと思うと、現代を生きる私たちにはやっぱり切ない。 薮入や 母にいはねば ならぬこと  これも同じ俳人の手によるものですが、こちらはなんだか意味深ですねぇ。 母親に言わなければいけないこととは何でしょう。 良いことか、悪いことか。 句の印象は悪いことを暗示させます。 そんな年の薮入りは目出度さも中ぐらいといったところでしょうか。 それにしても休みが年に2回とは切ないですねぇ。 しかも1日だけ。...
文学

追悼 大島渚監督

大島渚監督が80歳で逝去された、とのニュースが飛び込んできました。 もう10年以上、言葉もろくに話せない状態で闘病中とのことでしたから、致し方ない仕儀とはいえ、残念です。 大島渚監督といえば、なんと言っても世界に衝撃を与えた「愛のコリーダ」でしょうねぇ。 阿部定事件に取材した、全編性交シーンだらけのポルノまがいの作品でしたが、ポルノとは全く違った、上品で性欲を刺激しない作りになっていました。 公開時、私は小学生でしたので、劇場で観たことはなく、長じてビデオで鑑賞しました。 長い性交シーンよりも、世捨て人のように生きながら、狂気ともいうべき激しさで愛人との性交に溺れる主人公が、着流しにつっかけ姿で歩いている時、偶然軍隊の行進と行き会い、汚いものを見たとでも言うように目をそらして小走りで去っていくシーンが印象的でした。 社会のために生きざるを得ない軍人と、おのれ一人の欲望に生きる男との対比が見事でしたねぇ。 中学生の頃、「戦場のメリークリスマス」というのが話題になって、映画館に足を運びましたが、こちらはなんとなく物足りなかったことを覚えています。 1999年には最後の作品となった「御法度」...
文学

爆弾低気圧

今日は遅ればせながら同居人の実家に正月の挨拶に行きました。 例年であれば、元日に行って宴会となるところ、今年は喪中とあって、昼に酒なしでお茶とお寿司をいただきました。 11時40分に住まいを出たときには雨だったのですが、同居人の実家にいる間に雪になり、しかも暴風が吹き、あっという間に10センチほど積もってしまいました。 首都圏で10センチも積もれば大雪で、交通網は麻痺します。 雪になることを警戒し、車で行けば5分くらいのところ、15分かけてバスで行きました。 悪い予感はあたるもので、同居人の実家を出るころには一面の銀世界。 バス停から数分のマンションまで歩くにも、足場は悪いは暴風は吹き荒れるはで、ひどく難儀しました。 そして所々に、動けなくなった車が立ち往生して道をふさぎ、道路も大混乱。 こんなに降ったのは何年ぶりでしょう。 雪国の人は笑うでしょうが、雪になれない南関東の人間にとっては、深刻な問題です。 心配なのは明日の出勤。 車で行くことは端から諦めていますが、電車が動いてくれるかどうか。 首都圏の電車は極端に雪に弱いですからねぇ。 しかも明日は重要な会議が13時からあり、それに先立...
文学

75歳の芥川賞作家誕生なるか

先般、芥川賞候補が発表されました。 その中で一際注目を浴びたのが、75歳の黒田夏子。 過去、最も高齢で芥川賞を受賞したのが森敦。 当時62歳。 もし黒田夏子が受賞すれば、一気に記録を13歳も更新することになります。 私は芥川賞候補が発表されるまで、黒田夏子という人を知りませんでした。 当然、作品を読んだこともありません。 なんでも横書きで、一切カタカナを使わず、固有名詞も登場しないという独特の文体だそうです。 国語教師や事務職で生計を立てながら、20代から小説を書き続けているとか。 40年以上前から新人賞などへの応募は一切せず、黙々と書き続け、時折同人誌に作品を発表するだけだったそうです。 そういう人を、よく芥川賞の選考委員会は見つけたものです。 対象となった「abさんご」という作品は「早稲田文学」新人賞を受賞したのだそうです。 新人賞としては、メジャーとは言えない賞ですが、よほどインパクトが強かったのでしょうねぇ。 アマチュアとは言え50年も小説を書き続けてきた老婆に新人賞というのも不思議な感じがします。 苦節10年なんて言いますが、彼女の場合苦節50年ですか。 でももしかしたら商業...
スポンサーリンク