文学

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けんか大岡

今日は大岡昇平の忌日なんですよねぇ。 私が大学生の、1988年の今日でした。 「野火」や「レイテ戦記」などの戦争を扱った作品を、冷静な筆致で描き出し、夢中で読んだことを思い出します。 この人、けんか大岡と呼ばれるほど、論争好きで有名でしたね。 有名どころでは、井上靖との間で繰り広げられた、「蒼き狼」論争があります。 大岡昇平と言う人は嘘八百を並べるのが仕事のはずなのに、奇妙に実証にこだわる面がありました。 で、井上靖が独特の浪漫的美学を盾に、モンゴルの英雄を狼に見立てて史実を捻じ曲げたと怒りだしたわけです。 他にも、井上靖の自伝的三部作「しろばんば」・「夏草冬濤」・「北の海」を、自伝とは言えない、と文句を付けました。 そして「少年」という自伝的作品を書いてこれらへの批判としたそうです。 私は少年時代、井上靖の自伝的小説を耽読しました。 大正時代を舞台とした青春小説で、少年から青年へと成長していく姿が、若い男特有の滑稽さとともにユーモラスにつづられていました。 嘘八百を並べるという小説家の宿命を考えれば、私は大岡昇平の言いがかりに与することはできません。 井上靖の大らかな文学世界を良しと...
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韓国大統領

お隣、韓国の大統領選挙の結果がでましたね。 韓国初の女性大統領、朴大統領の誕生です。 反日左派で親北朝鮮の文候補が落選したことは、わが国にとっては良かったと言って良いんでしょうね。 前評判ではかなりの接戦だったそうですが、どこの国もそうですが、サイレント・マジョリティというものは、大体において穏健な候補を選ぶものです。 朴大統領に関しては、お父上の朴大統領が独裁的だったとか、日韓基本条約を強引に結んだ親日派だとか、主にお父上に関わるネガティブ・キャンペーンに苦しめられていましたね。 戦後67年、韓国はいったいいつまで過去に拘り、わが国を誹謗中傷しつづけるのでしょうか。 もはや馬鹿馬鹿しいほどです。 それに比べて、なぜか同じ大日本帝国の植民地支配を受けた台湾は今も親日的です。 先般、台湾で日本語の和歌を詠む歌人たちの集まりが開かれたそうです。 天皇を 神と思ひし 彼の日々を 空虚なりしと 我は思はず 外国人叙勲で、短歌の普及によって旭日双光章に輝いた台湾歌壇の元代表、鄭さん(88)の和歌です。 鄭さんは戦後大日本帝国が台湾から去り、中華民国が乗り込んできた時、彼我の行動を比較して、大日本...
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冬を詠む

首都圏に住んでいると実感できませんが、今年の雪国はこの時季としては例年の3倍も降って難儀しているそうですね。 年配の方が屋根に登って雪おろしをしている姿は痛々しいばかりです。 同時に、冬場ほとんど雪が降らない地域に生まれ育ち、今も住んでいる幸運を感じます。 梅の花 それとも見えず 久方の 天霧る雪の なべて降れれば 「古今和歌集」に見られる和歌で、よみひとしらずとなっています。 大雪が、白梅が散っているように見えるという優雅な歌ですが、これもおそらくは近畿地方の、あまり雪が降らない場所で、雪が降ってはしゃいでいる様子が感じ取れます。 首都圏でも5センチ程度の積雪でニュースでは大雪と騒ぎ立て、電車は止まり、人々は転んでけがをするというわけで、雪の少ない地方では、雪が降るとお祭りのようにはしゃぐ風習が見られます。 雪降れば冬ごもりせる草も木も春に知られぬ花ぞ咲きける    紀貫之の和歌です。 またもや「古今和歌集」から。 春にしられぬ花、というのは、雪がうっすら積もった樹木の様子を花に見立てているものかと思われます。 ここでも、雪にはしゃぐ様子が見てとれます。 山里は 冬ぞ寂しさ まさりけ...
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最強の同盟国

このたびの選挙結果を受けて、米国のヌランド報道官はわが国を最強の同盟国の一つ、と評しました。 安倍政権が軍事力を増強し、米国にとっても脅威である中国や北朝鮮に厳しく対峙することを期待してのことと思われます。 一方、当然、中国や韓国は安倍政権を極右だとか軍国主義だとか言って不安をあおっていますね。 中国はともかく、米国を介して同盟関係にある韓国までがわが国の軍事力増強を非難するのは解せませんねぇ。 いざという時、頼れる隣国はわが国だけだと思いますが。 安倍次期総理、早くも憲法改正や教育改革など、これまでの内閣が取り上げることが少なかった大きな政策を打ち出す意志を鮮明にしています。 それらは直近の民意によって権威付けされており、当然、粛々と進めるべき基本政策です。 まずは憲法改正手続きを定めた96条の改正に着手するようです。 両院の三分の二の賛成で憲法改正を発議し、国民投票で過半数を得なければならない、という、事実上憲法改正を不可能にしている条文です。 硬性憲法と言われる所以ですね。 現在、維新もみんなも憲法改正には協力すると言っていますので、衆議院では優に三分の二をクリアできます。 しか...
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震える舌

今日は今度の土日の国際シンポジウムでの出勤のため、振り替え休日。 朝からのんびり過ごしています。 今朝は少し古い映画を鑑賞しました。 1980年製作の野村芳太郎監督に手になる、「震える舌」です。 野村芳太郎監督といえば、「八つ墓村」とか「砂の器」など、スケールの大きいサスペンスが印象に残っています。 そんな野村作品にあって、「震える舌」は異色の医療ドラマでした。 幼稚園に通う娘が破傷風に感染。 即日入院となります。 破傷風は音や光などの刺激で激しい痙攣を引き起こすことから、病室には遮光カーテンがひかれ、薄暗い中で若い両親が病室につめます。 両親の目の前で繰り広げられる残酷とも言える傷みを伴う治療が、観る者の心を打ちます。 薬効効無く、日に日に病状は悪化。 ついには心配停止まで追い込まれますが、必死の治療で回復していきます。 その間、両親は娘の死を覚悟し、日に日にやつれていきます。 とくに、今では大女優となった十朱幸代演じる若い母親は、完全におかしくなってしまいます。 これ以上の治療を拒否したり、娘を自ら殺害しようとしたり。 父親役の渡瀬恒彦も憔悴しきった表情で、娘の死を待ちます。 そん...
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