文学 侠気
今日は与謝野鉄幹の忌日だそうです。 じつは私は与謝野鉄幹の詩歌や書くものが苦手です。 何かと言うと男気だの侠気だの情熱だのを持ち出す暑苦しいやつだからです。 与謝野鉄幹と言うと、「人を恋ふる歌」と題する16の短い定型詩が有名ですね。妻をめとらば才たけて みめ麗 しく情けある 友をえらばば書を読みて六分の侠気四分の熱 これが最初の詩。 すでに暑苦しい感じが漂っています。わが歌声の高ければ 酒に狂うと人のいう われに過ぎたるのぞみをば 君ならではた誰か知る これが10番目です。 いよいよ勢いがスパークしてきましたね。おなじ憂いの世に住めば 千里のそらも一つ家 己が袂というなかれ やがて二人の涙ぞや 15番目です。 好悪はともかく、詩の文句を直観的に選ぶ才は天賦のものであると認めざるを得ません。 男気や侠気に重きを置いた人だけあって、才能ある無名の若手を発掘することにも情熱を傾けたようです。 後の婦人、晶子、石川啄木などをプロデュースしています。 当時かれには妻があり、その妻を捨てて晶子と結婚することになるわけですが、当時はずいぶんなスキャンダルになったようです。 しかしなかなかのおしどり...