文学 おはなし
このブログをご愛読くださる方にとっては言わずもがなの知れたことですが、私は怖いお話が大好きです。 そして現代ほど、怖い映画や小説が多数作られる時代はなく、真に喜ばしいかぎりです。 古来、文学や芝居では、お話を大きく2つのジャンルに分けていました。 悲劇と喜劇、能と狂言、和歌と狂歌、俳句と川柳。 これらはいずれも、シリアスなものか笑えるものか、によって類型化されています。 しかし笑いを求める人々は気が短くなったのか、あるいはストーリーを追うという面倒な作業が嫌われるためか、喜劇は衰退し、代わって一発ギャグとかスタジオ芸などの、短くてナンセンスなものが幅を利かせるようになったと感じます。 私は今となってはシリアスなものと笑えるものという類型は形骸化したように感じます。 むしろ今作られている作品群を類型化するならば、恋のお話か怖いお話に分けるほうが実状に合っていると思われます。 当然私は恋のお話には退屈し、怖いお話に胸高鳴らせる者です。 しかしさすがに怖いお話もパターンは出尽くした感があり、ただ残酷でショッキングなだけではない、怖くて格調高くて美しい作品にはなかなか出会えないものです。 で、...