文学

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憂き人

私が双極性障害(昔で言う躁うつ病)に罹患していることは、何度もこのブログで告白してきました。 とは言っても、激しい躁状態は、一度しか経験がありません。 とにかく気持ちが高ぶって、じっとしていられない状態で、最初は病識がありませんでした。 うつ病が治ったくらいにしか。 しかし、主治医によるとそれは立派な病気で、治療をしないと大借金を負うほどギャンブルをやるか、風俗遊びに狂うか、大酒をくらうか、あるいはその全部をやるかして身の破滅を招くと言うのです。 いわゆる飲む・打つ・買うの三道楽というやつですね。 それで、恐怖に打ち震えた私は、素直に主治医が処方した躁を抑える薬を飲み始めました。 以降、躁状態は出現していません。 考えてみれば、うつにしろ躁にしろ、元々は高貴な感情ではなかったでしょうか。 うつは憂愁、メランコリー、などに通じる状態で、人間にのみ与えられたもの。 ものを考えたり感じたりするとき、人はメランコリーに沈みます。 だからこそ、哲学者はいつも難しい顔をしているのでしょう。 憂愁というもの、過ぎなければどこか気持ちの良いものです。 一方、躁状態にあるとき、人は立派な仕事を成し遂げた...
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ものうき日影落つる時

私が就職した約30年前、22歳の頃、体重は53キロでした。 身長は165センチと小柄で、やせ型でした。 その後多少の増減はあったものの、概ね体重をキープしてきました。 ところが36歳~40歳頃にかけて、双極性障害のうつ症状で3度も半年以上にわたる病気休暇を繰り返し、その間、食っちゃ寝生活を続けた結果、20キロ以上太り、74キロにまでなり、糖尿病の治療を開始しなければならない状態にまで陥りました。 その頃父が他界。 そのショックで食欲が極端に失せ、酒ばかり飲んでろくに食わない生活を続けた結果、わずか1年で体重は48キロにまで減少。 変な言い方ですが、飲酒ダイエットみたいな感じです。 やたらと寒がりになり、力が入らなくなりました。 これではまずいと思い、無理をして食うと戻してしまうの繰り返し。 体重はなかなか戻りませんでした。 しかし、人間というもの、どんなショックを受けても、時の流れとともにそれは和らぐようにできているようで、少しづつ体重は増え、今は53キロに戻りました。 それとともにすこしづつ、嗜好が変化してきました。 まず、珈琲を好むようになったこと。 前は珈琲を飲むとドキドキするの...
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赤き死

今、世界はコロナで大騒ぎ。 私の職場でも、会議はすべてメール審議で、一部の職種では在宅勤務が認められています。 学生の頃、エドガー・アラン・ポオの「赤死病の仮面」を原文で読む、という講義を受けました。  先生はインド哲学者で、食うために色々な大学で非常勤講師として英語を教えている、学者ゴロみたいな人でした。 講義中、先生は不謹慎な発言をしました。 「赤死病の仮面」は、黒死病(ペスト)をモデルにした小説にからめて、伝染病の話を始めました。 先生の説によると その先生が、講義中、不謹慎な発言をしました。 すなわち、伝染病は増えすぎた人類を淘汰するためのもので、神の見えざる手によるものだ、というのです。 したがって、伝染力が強く、致死率が高いほど良い病気だ、とも。 今、新型コロナの大流行を見て、先生の言葉を思い出しました。 もちろん、先生の説には賛同できません。 しかし、30年も前の、先生のシニカルな表情を鮮明に覚えていることに慄然とします。 もしかしたら、心の深い部分で、先生の説に感銘を受けたのかもしれない、と思って。 いつ私自身が感染するかもしれないと思うと、先生の発言は真にふざけた言葉...
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めでたさも

明けましておめでとうございます。 きょうから令和2年。 しかし私の心境は、小林一茶の、 めでたさも 中ぐらいなり おらが春 という気分です。 そのせいか、年末年始の休みに入ってから、酒量が増えています。 今年は節酒に励もうと思います。
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痛々しい

今日は体を起こすことが出来ず、休暇を取りました。 二日酔いというわけでもなく、理由が分かりませんが、とにかく起き上がれなかったのです。 朝飯も昼飯も食わず、夕方5時まで眠り続けました。 原因を探っても仕方ありませんが、うつのサインのような気がしてなりません。 日中、うつらうつらしながら、なぜか高校から大学にかけてのころの夢を見ました。 あの頃の私から見たら、今の私は絶望的な状況に見えるでしょうね。 小説で一発あてようと野望を抱いていましたから。 それが木っ端役人として薄給に甘んじていると知ったら? 夢のなかの少年の私は、自信満々でした。 それが今となっては痛々しい。 懐かしい、という感情は湧いてきませんでした。 今の私には、とにかく出勤することが大事。 明日こそは、出勤しましょう。
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