文学

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幻夏

昨日はのんびり読書などして過ごしました。 「幻夏」というミステリーを読みました。幻夏 (角川文庫)太田 愛KADOKAWA 23年前の夏。 小学校6年生の尚と3年生の拓の兄弟、それに友人の6年生、亮介は忘れられない夏休みを過ごします。 それはただ楽しいと言うだけではなく、最後の楽しい夏休みでした。 どこか名作、「スタンド・バイ・ミー」を彷彿とさせ、かつて少年だった私自身の思い出ともリンクして、ノスタルジックな思いに駆られます。スタンド・バイ・ミー ウィル・ウィートン,リバー・フェニックス,コリー・フェルドマン,ジェリー・オコネルソニー・ピクチャーズエンタテインメントスタンド・バイ・ミー コレクターズエディション ウィル・ウィートン,リバー・フェニックス,コリー・フェルドマン,ジェリー・オコネルソニー・ピクチャーズエンタテインメント しかし、新学期早々、尚が失踪。 川辺に尚のランドセルがあったことから、水死したものと思われます。 死体は上がらず、迷宮入り。 23年も経って、尚の母親は興信所に尚の行方を捜してほしいと依頼します。 興信所の探偵は、今は警察官となった亮介と協力して、尚の行方を...
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悪いものが、来ませんように

昨夜は小説を読みました。 芹沢央という作家の「悪いものが、来ませんように」です。 恒川光太郎の作品を集中して全て読んでしまって以来、あまり小説を読まなくなったなと思って、帰りに駅前の本屋に寄り、気楽に読めるホラーかミステリーを探していて、「悪いものが、来ませんように」というタイトルに魅かれ、購入。 夕食後、何の先入観も持たずに読み始めました。 文庫本で300頁足らずですが、一気に読みました。 ホラーではなく、ミステリーでした。 異常なほど仲の良い、奈津子と紗英の二人の女性を軸に物語は進みます。 その中の良さは薄気味悪いほどです。 奈津子は専業主婦として家事に子育てに奮闘中。 紗英は助産院に助手として勤めながら、不妊治療に精を出しています。 二人は互いに依存しながら暮らしているわけですが、関係性が変化せざるを得ない事件が勃発。 そして怒涛のラストへと突入。 物語は急展開を見せ、あっと驚く結末へ。 これから読む方がいるかもしれませんので、くわしい内容は書かないでおきます。 ネタバレになってしまいますので。悪いものが、来ませんように (角川文庫)芦沢 央KADOKAWA/角川書店 本の帯に「...
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初雪の

首都圏は長いこと晴か曇りの日が続き、空気はカラカラに乾いていました。 そのせいか、インフルエンザが大流行。 私の職場は学級閉鎖のような状態になっています。 幸い、私は感染していません。 それが今日、久しぶりに雨が降りました。 夜にかけて雨脚が強まり、深夜から未明にかけて平地でも雪になるところがある、との予報。 23区は、初雪はわずかばかりですが、以前降ったと記憶していますが、千葉市はまだのはず。 初雪の 底を叩けば 竹の月 与謝蕪村の句です。  初雪が降りやんで、月が竹林を照らしている、その底冷えのするなかの美しい情景を詠んで見事です。蕪村句集 現代語訳付き     (角川ソフィア文庫)玉城 司角川学芸出版 私が住まう千葉市が雪になるかは微妙。 千葉は関東のなかでは温暖なほうですから。 それでも、毎年1度や2度は雪に見舞われます。 今年は降らないなぁと、残念なようなほっとするような気分でいました。 例え降らなくても、気分だけ、雪見酒としゃれ込みたいものです。 年が明けて日に日に忙しくなり、これから年度末までは怒涛の日々。 せめては冬の楽しみを、素直に楽しみたいと思っています。
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籠り居

仕事始めから一週間が過ぎて、ようやっと、仕事も軌道に乗ってきたようです。 言い換えれば、忙しくなってきたということ。 どこでもそうでしょうが、1月から3月に向けては、どうしても忙しくなります。 寒いし、忙しいし、嫌な時季です。 土曜日は少しですが、雨か雪が降る予報。 首都圏では雪は大ニュースですが、積もることはなさそうです。 うずみ火や 我かくれ家も 雪の中 私が偏愛する与謝蕪村の俳句です。 冬の醍醐味は、とても寒い日に、暖かい自宅に籠り居ることでありましょう。 その郷愁を美しく表現していると思います。蕪村句集 現代語訳付き     (角川ソフィア文庫)玉城 司角川学芸出版 太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。 次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。 という、三好達治の短い詩へ与えた影響、あるいは類似点を指摘する声も多く聞かれます。 この詩も、冬の郷愁に満ちたものだと感じます。 太郎と次郎とは何者じゃ?などと無粋は言いますまい。 兄弟仲良く枕を並べて眠っているようにも、家族ではなく、それぞれの家に雪が降っているようにも受け取れます。 どう受け取るかは、読む者の勝手。  私は、近所に住...
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師走何ぢゃ

師走も押し詰まってきました。 明日からの3連休を終えれば、もう今年も最後の週。 しかも私は年休消化のため、25日(火)に休暇を入れました。 4連休です。 これで今年も年休は完全消化。 計画的に休暇を取ってきたおかげです。 なんとなく気は急きますが、師走だ、師走だと騒いでも、良いことなどありはしません。 師走何ぢゃ 我酒飲まむ 君琴弾け 幸田露伴、号して蝸牛庵先生の俳句です。蝸牛庵句集 (1949年)幸田 露伴中央公論社露伴の俳話 (講談社学術文庫)高木 卓講談社 上手い句とは言い難いですが、師走がどうしたと開き直り、酒を飲もうという心意気が、天邪鬼と言おうか、偏屈と言おうか、いずれにせよ風狂の趣が漂います。 私はしがないサラリーマンゆえ、文人趣味とも風狂とも縁遠い生活をしていますが、忙しい師走に、あえて酒を飲みつつ琴を聞くような心境に、憧憬を覚えます。 もっとも私も、師走だろうが正月だろうが関係なく酒を呑む呑ん兵衛ですから、琴の音が無いだけで、同じようなことをしているとも言えます。 正月は呑むものと決まっていますが、師走に酒というのはあんまり相性が良くないのかもしれません。 最近は肝臓...
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