文学 金色の獣、彼方に向かう
昨夜は恒川光太郎の短編集、「金色の獣、彼方に向かう」を読みました。金色の獣、彼方に向かう (双葉文庫)恒川 光太郎双葉社 「異神千夜」・「風天孔参り」・「森の神、夢に還る」・「金色の獣、彼方に向かう」の4作品が掲載されています。 それぞれ独立した短編ですが、唯一、イタチに似た妖しい獣が登場するところに共通点があります。 「異界千夜」は元寇の前後を描いた時代作品。 南宋、対馬、博多あたりを舞台にした壮大な作品で、内容的には長編時代ファンタジーのような読後感です。 この作者の作品は、切なく美しい幻想文学がほとんどなのですが、この作品は、元の蛮行を恨む女の怨念や、彼らと行動をともにしながら、ついには裏切らざるを得ない男の苦悩などが怖ろしく、ゾッとさせられました。 「風天孔参り」は、ある山の登山口近くでレストランを営む50代の男が遭遇する不思議な物語。 ある時女子大生が客としてやってきて、従業員として居つき、彼女の口から風天孔参りの話を聞きます。 山中に突如小さな竜巻が起き、そこに飛び込んだ人間は天に消えてしまうとかで、限りなく自殺に近い、風天孔参りをする集団がある、と。 そして女子大生は風...