文学

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ワン・モア

昨日の日曜日は入院している親族の見舞に行きました。 痩せて元気がなくなってはいましたが、生きるの死ぬのというほどのことではなく、良かったと思います。 50代半ばですので、闘病の体力もあるものと思います。 少々遠い所だったので、行きかえり、小説を読みました。 近頃お気に入りの桜木紫乃の「ワン・モア」という作品です。ワン・モア (角川文庫)桜木 紫乃KADOKAWA 安楽死の罪を犯し、大病院から離島の診療所へと左遷された女医と、元同僚でがんの告知を受けた女医の二人を中心に、関連する人物が次々に主人公として小さな物語が紡がれる連作短編集の体裁を取っています。 二人の女医、死に行く側とそれを現代医学の力で遠ざけようとする側、それぞれの葛藤が描かれて迫力があります。 それ以上に、医師を目指しながらそれが叶わず、放射線技師となって複雑な思いを抱える男の葛藤や恋、女医の元でDV被害による傷の治療を受ける若い女性、女医の元で働く中年看護師の恋など、生きること、死ぬことへの恐怖や諦め、生その物の発露ともいえる恋愛などが螺旋階段のように絡まりあって描かれ、とても魅力的な物語になっています。 さらにその底に...
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眠る

昨日はブラック・フライデーのセールを行っているということで、そごう千葉店に出かけました。 以前、千葉駅近くにはそごうの他に三越が在って、三越にばかり行っていたのですが、閉店して跡地はタワーマンションになってしまいました。 以来、不本意ながらそごうに通う羽目になりました。 ブラック・フライデーのお目当てはダウンのコートを買うこと。 昨年、カシミアのコートを大枚17万円をつぎ込んで購入し、これを愛用していたのですが、本当に寒くなる真冬はダウンのほうが良かろうと思い、買いに出かけた次第です。 愛用のスコッチハウス、ブルックスブラザーズ、ニューヨーカーなどいくつかの店舗を見て回り、結局最初に見たスコッチハウスで濃紺のダウンコートを購入しました。 15%OFFで8万円ほど。 カシミアに比べると安いです。 その後本屋に立ち寄り、最近お気に入りの桜木紫乃の小説を2冊と、珍しく城山三郎の晩年の手記を購入しました。 早速、今日の午後「そうか、もう君はいないのか」という城山三郎の手記を読みました。 学生時代に出会った当時女子高生の奥様との初恋が語られ、結婚生活、そして奥様が癌に倒れて亡くなるまでを描いたも...
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僕の神さま

昨日は午前中、一週間分の食料の買い出しに行った他は静かに読書をして過ごしました。 芹沢央という作家の「僕の神さま」という小説です。僕の神さま (角川文庫)芦沢 央KADOKAWA 小学校5年生の僕が主人公で、冷静沈着、何事もすらりと解決してしまう神さまとあだ名される少年との交流を描いています。 春・夏・秋・冬・エピローグという構成の連作短編集の形式を取っています。 春の章は少年らしい心の揺らぎを描いたほのぼのしたもの。 しかし夏・秋・冬と、異常に絵がうまい転入生の少女が、大酒飲みでパチンコ中毒の父親に苦しめられていることが語られ、ついには父親を事故に見せかけて殺害することを夢想していることが判明します。 これに対し、神さまとあだ名される少年はそれを肯定し、僕を愕然とさせます。 少女は児童保護施設への保護を希望しますが、施設から出ると父親は施設の管轄外の地域に引っ越してしまいます。 こんなことを繰り返しているのです。 少女は転校していきますが、その後父親に殺されたという噂が広がり、さらには少女の怨霊が学校に存在するとまで拡大し、少年少女たちを恐怖に陥れます。 総じて少年少女たちの瑞々しい...
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ラブレス

昨日はコレステロールの薬をもらいに内科に、今日は散髪に行った以外、静かに読書をして過ごしました。 桜木紫乃の「ラブレス」を読みました。 この作者の小説を三冊続けて読んでいます。 北海道を舞台に、二人の女性の一生が大河ドラマのような壮大さで描かれます。 奔放に生きた姉と堅実に生きようとした妹の物語に様々な登場人物が絡んで、人生というものを考えさせられます。 みな同じように脱皮を繰り返し、螺旋階段を上るように生きてゆく。 人はみな手前勝手なもんだから、自分の幸せのためなら手前勝手に生きていい。 どこへ向かうも風のなすまま。からりと明るく次の場所へ向かい、あっさりと昨日を捨てる。捨てた昨日を悔んだりしない。 奔放に生きた姉の言葉でありながら、堅実に生きようとして奔放に憧れた妹の悔いのようにも読み取れます。 親子孫、三代に渡る物語に魅了されました。ラブレス(新潮文庫)桜木紫乃新潮社
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三連休

三連休。 前回の診察で処方された新しい薬のおかげか、飲み始めて15日目くらいから明らかに調子が良くなってきました。 激しい落込みから軽い落込みへと改善しました。 軽い落込みがあると言ってもずいぶん楽です。 初日の土曜日は大雨で、午前10時半に予約していた歯医者に行った以外は自宅でのんびりと過ごしました。 半年に一度歯のクリーニングを行っており、土曜日がそうでした。 おそらく誰でもそうでしょうが、歯医者というのは嫌なものです。 歯を削ったり詰め物をしたり。 私はクリーニングだけですが、それでもいつも億劫です。 昨日、日曜日は午後そごう千葉店に出かけました。 北海道物産展で買い物を楽しむためです。 大変な人出でしたが、 物産展のなかでも北海道はテンションが上がります。 旨い海産物や北海道ならではのスイーツがあります。 うす味の貝の漬物とルイベの粕漬、それにウニとイクラとカニがヤケクソ気味にてんこ盛りになった海鮮丼を購入。 どれも少々高かったですが、良い買い物をしたと思っています。 晩はそれらで熱燗を頂きました。 秋から冬にかけて酒の味が一段上がります。 飲みすぎには気を付けなければならない...
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