文学

スポンサーリンク
文学

恥ずかしながら昨日38度4分の熱を出して寝込んでしまいました。 連休中に寝込むなんて初めてのことです。 今日解熱剤を飲んで36度9分まで下がりました。 もったいないことをしました。 目が熱い感じや肩や腰が痛む感じ、ひどくだるい感じ。 これらによって精神状態が激しく動揺します。 全然考えていなかった連休明けの仕事のことがやけに気になったりします。 休みはあと二日あります。 楽しまなければ損ですね。
文学

よいお年を

昨夜、カルーセル麻紀をモデルにしたという小説、「緋の河」を読みました。緋の河(新潮文庫)桜木紫乃新潮社 カルーセル麻紀をモデルにしたと言っても、家族構成から何から、ほとんど作者の空想による虚構だそうで、ドキュメンタリーみたいな物とはかけ離れています。 この世の者とは思えないほどの美少年がゲイボーイとなって成功し、テレビ番組への出演が決まるまでの半生を描いています。 この作者らしいストーリー展開の妙は感じましたが、私は失敗作だと感じました。 無駄に長いし、主人公の描き方がステレオタイプです。 桜木紫乃という小説家、最近よく読んでいて、どれも面白いのに、残念な作品でした。 それはさておき。 今日で令和6年(2024年)も終わりです。 大晦日だからと言って特別の感慨はありませんが、今年も一年生き延びることが出来たことには感謝しています。 私の駄文にお付き合いいただいた皆様には感謝の言葉もありません。 良いお年をお迎えください。
文学

瞑目

日曜日の夕方。 この時間帯、勤め人にしろ学生にしろ、月曜日から金曜日まで嫌々どこかに通って暮らしている者なら、誰だって憂鬱でしょう。 私も3つの年に幼稚園に上がってから52年間、平日はどこかに通う生活を送っていますが、日曜日の夕方の気鬱に慣れることはないし、つける薬もありません。 今日は昨日と打って変わって北風の冷たい日で、外を歩き回って憂鬱を紛らわすこともできません。 最近お気に入りの桜木紫乃の「起終点駅(ターミナル)」という短編集を読んで気晴らしを試みましたが、この人の小説は流されて生きていく人の無常をうまく描くのが特徴で、非常に興味深く読んだものの、気鬱を紛らわせるには少々重すぎたようです。起終点駅 (講談社文庫)桜木紫乃講談社 この作者、北海道出身で、どの小説も舞台は北海道です。 寒々しい感じがとても良いスパイスになっています。 列車の窓から眺めるように、どんな美しい景色も瞬きひとつで流れていってしまう。そのくらいのことが分かる程度に年は取った。 表題作の主人公、国選弁護しか引き受けないという老いた弁護士の独白です。 我が国に生まれ育った人なら理屈なしに分かりあえる仏教的無常観...
文学

ワン・モア

昨日の日曜日は入院している親族の見舞に行きました。 痩せて元気がなくなってはいましたが、生きるの死ぬのというほどのことではなく、良かったと思います。 50代半ばですので、闘病の体力もあるものと思います。 少々遠い所だったので、行きかえり、小説を読みました。 近頃お気に入りの桜木紫乃の「ワン・モア」という作品です。ワン・モア (角川文庫)桜木 紫乃KADOKAWA 安楽死の罪を犯し、大病院から離島の診療所へと左遷された女医と、元同僚でがんの告知を受けた女医の二人を中心に、関連する人物が次々に主人公として小さな物語が紡がれる連作短編集の体裁を取っています。 二人の女医、死に行く側とそれを現代医学の力で遠ざけようとする側、それぞれの葛藤が描かれて迫力があります。 それ以上に、医師を目指しながらそれが叶わず、放射線技師となって複雑な思いを抱える男の葛藤や恋、女医の元でDV被害による傷の治療を受ける若い女性、女医の元で働く中年看護師の恋など、生きること、死ぬことへの恐怖や諦め、生その物の発露ともいえる恋愛などが螺旋階段のように絡まりあって描かれ、とても魅力的な物語になっています。 さらにその底に...
文学

眠る

昨日はブラック・フライデーのセールを行っているということで、そごう千葉店に出かけました。 以前、千葉駅近くにはそごうの他に三越が在って、三越にばかり行っていたのですが、閉店して跡地はタワーマンションになってしまいました。 以来、不本意ながらそごうに通う羽目になりました。 ブラック・フライデーのお目当てはダウンのコートを買うこと。 昨年、カシミアのコートを大枚17万円をつぎ込んで購入し、これを愛用していたのですが、本当に寒くなる真冬はダウンのほうが良かろうと思い、買いに出かけた次第です。 愛用のスコッチハウス、ブルックスブラザーズ、ニューヨーカーなどいくつかの店舗を見て回り、結局最初に見たスコッチハウスで濃紺のダウンコートを購入しました。 15%OFFで8万円ほど。 カシミアに比べると安いです。 その後本屋に立ち寄り、最近お気に入りの桜木紫乃の小説を2冊と、珍しく城山三郎の晩年の手記を購入しました。 早速、今日の午後「そうか、もう君はいないのか」という城山三郎の手記を読みました。 学生時代に出会った当時女子高生の奥様との初恋が語られ、結婚生活、そして奥様が癌に倒れて亡くなるまでを描いたも...
文学

僕の神さま

昨日は午前中、一週間分の食料の買い出しに行った他は静かに読書をして過ごしました。 芹沢央という作家の「僕の神さま」という小説です。僕の神さま (角川文庫)芦沢 央KADOKAWA 小学校5年生の僕が主人公で、冷静沈着、何事もすらりと解決してしまう神さまとあだ名される少年との交流を描いています。 春・夏・秋・冬・エピローグという構成の連作短編集の形式を取っています。 春の章は少年らしい心の揺らぎを描いたほのぼのしたもの。 しかし夏・秋・冬と、異常に絵がうまい転入生の少女が、大酒飲みでパチンコ中毒の父親に苦しめられていることが語られ、ついには父親を事故に見せかけて殺害することを夢想していることが判明します。 これに対し、神さまとあだ名される少年はそれを肯定し、僕を愕然とさせます。 少女は児童保護施設への保護を希望しますが、施設から出ると父親は施設の管轄外の地域に引っ越してしまいます。 こんなことを繰り返しているのです。 少女は転校していきますが、その後父親に殺されたという噂が広がり、さらには少女の怨霊が学校に存在するとまで拡大し、少年少女たちを恐怖に陥れます。 総じて少年少女たちの瑞々しい...
文学

ラブレス

昨日はコレステロールの薬をもらいに内科に、今日は散髪に行った以外、静かに読書をして過ごしました。 桜木紫乃の「ラブレス」を読みました。 この作者の小説を三冊続けて読んでいます。 北海道を舞台に、二人の女性の一生が大河ドラマのような壮大さで描かれます。 奔放に生きた姉と堅実に生きようとした妹の物語に様々な登場人物が絡んで、人生というものを考えさせられます。 みな同じように脱皮を繰り返し、螺旋階段を上るように生きてゆく。 人はみな手前勝手なもんだから、自分の幸せのためなら手前勝手に生きていい。 どこへ向かうも風のなすまま。からりと明るく次の場所へ向かい、あっさりと昨日を捨てる。捨てた昨日を悔んだりしない。 奔放に生きた姉の言葉でありながら、堅実に生きようとして奔放に憧れた妹の悔いのようにも読み取れます。 親子孫、三代に渡る物語に魅了されました。ラブレス(新潮文庫)桜木紫乃新潮社
文学

三連休

三連休。 前回の診察で処方された新しい薬のおかげか、飲み始めて15日目くらいから明らかに調子が良くなってきました。 激しい落込みから軽い落込みへと改善しました。 軽い落込みがあると言ってもずいぶん楽です。 初日の土曜日は大雨で、午前10時半に予約していた歯医者に行った以外は自宅でのんびりと過ごしました。 半年に一度歯のクリーニングを行っており、土曜日がそうでした。 おそらく誰でもそうでしょうが、歯医者というのは嫌なものです。 歯を削ったり詰め物をしたり。 私はクリーニングだけですが、それでもいつも億劫です。 昨日、日曜日は午後そごう千葉店に出かけました。 北海道物産展で買い物を楽しむためです。 大変な人出でしたが、 物産展のなかでも北海道はテンションが上がります。 旨い海産物や北海道ならではのスイーツがあります。 うす味の貝の漬物とルイベの粕漬、それにウニとイクラとカニがヤケクソ気味にてんこ盛りになった海鮮丼を購入。 どれも少々高かったですが、良い買い物をしたと思っています。 晩はそれらで熱燗を頂きました。 秋から冬にかけて酒の味が一段上がります。 飲みすぎには気を付けなければならない...
文学

ふたりぐらし

今朝目覚めたら喉がひどく痛み、咳が止まりません。 体の節々が痛み、微熱がありました。 出勤できないことも無いかなと思いましたが、こじらせる前に治したいと思い、仕事を休んで内科に行きました。 つい一週間ほど前に同じ部屋で執務する後輩がコロナに罹ったことも心配でしたし。 内科でコロナの検査を行った結果、幸い大丈夫でした。 抗生物質やら咳を止める薬やら色々薬が出て、朝と昼に飲んだら大分楽になりました。 ただし、喉の痛みは相変わらずです。 多少体調が良くなったので、「ふたりぐらし」という小説を読みました。ふたりぐらし (新潮文庫)桜木 紫乃新潮社 今では職業として成り立たなくなった映写技師で脚本家になる夢を捨てきれない40歳の男と看護師で36歳の妻との生活がそれぞれの目線で交互に語られる連作短編集の体裁を取っています。 看護師の妻が夫を養っており、世間から見れば夫はヒモです。 しかし二人は仲睦まじく、生活を楽しんでいます。 家族の始まりとでも言いましょうか。 そしてそれぞれの親との関係性も描かれます。 母親はどちらもいわゆる毒母に近い人です。 その母親との関係の難しさは、私の義母と同居人を見て...
文学

夜のピクニック

昨日は一昨日と打って変わって静かに読書をして過ごしました。 恩田陸の「夜のピクニック」です。 この人はミステリーやホラーの作家というイメージを漠然と持っていましたが、「夜のピクニック」はいわゆる青春小説と呼ばれる分野かと思います。夜のピクニック(新潮文庫)恩田 陸新潮社 田舎町の進学校、北高。 ここでは1年生から3年生、全員が参加する奇祭、歩行祭が毎年行われています。 朝8時に学校を出発し、途中で休憩や2時間の仮眠を挟んで80キロの道のりを翌朝8時までに歩き通すという過酷なものです。 しかし、ヘトヘトになりながらも達成感があるらしく、多くの生徒は歩行祭の実施を支持しています。 ただ歩くだけで何の事件も起こらないのですが、歩行中に生徒達の間で交わされる会話が面白く、文庫本で447ぺージの作品を一気に読んでしまいました。 最後の学校行事である受験を控えた高校3年生の数人を主人公にした物語です。 私はもちろん夜通し歩くなんて体験はありませんが、この小説を読んで、何となく懐かしいような、ノスタルジックな気分に浸りました。 近くにいなければ忘れられる。忘れられればいないのと同じ。 こんなフレーズ...
文学

地球星人

かねて読み進めていた村田沙耶香の「地球星人」を読み終わりました。 この人の小説を読むのは「コンビニ人間」、「消滅世界」に続いて3冊目です。 「コンビニ人間」や「消滅世界」はジェンダーレスの世界を描いていて、それだけでも世の中の常識から反する、いわば反社会的な作品でした。 しかるに「地球星人」はそんな生半可な小説ではありません。 人間社会の全てを否定しているかのごとくなのです。地球星人(新潮文庫)村田沙耶香新潮社コンビニ人間 (文春文庫)村田 沙耶香文藝春秋消滅世界 (河出文庫)村田沙耶香河出書房新社 最初は世の中というものに違和感を持つ少年少女の淡い恋物語の様相で始まります。 その違和感はますます大きくなり、長じて、人間社会を工場と呼ぶにいたります。 勉強を頑張り労働する、女の子を頑張り生殖する、この二つが地球星の成り立ちであり、それは社会というより工場だというわけです。 それに順応して何の違和感もなく生きるのが地球星人であり、違和感を持つ者は異星人ととらえます。 そこでは価値観が錯綜し、逆転し、また反転します。  さらには殺人、人肉食までもが正当化されます。 それは彼らの合言葉、異星...
文学

おじさんはどう生きるか

今朝は6時半に起きて生卵と納豆で白飯を食いました。 その後日曜日の朝恒例の洗濯。 朝が弱い同居人は夢の中です。 午前中はテレビなど観てだらだら過ごし、昼は近所の蕎麦屋で鴨せいろを食しました。  その後床屋で散髪しました。 午後は読書。 軽い物が読みたいと、かねて購入してあった松任谷正隆の「おじさんはどう生きるか」というエッセイ集を読みました。おじさんはどう生きるか (中公文庫)松任谷正隆中央公論新社 私はこの人、松任谷由美の旦那で音楽関係の仕事をしているとしか予備知識はありませんでした。 しかしこのエッセイを読むと、文章を書いたり、音楽劇の演出をしたり、バンドをやったりと多彩な活動をしていることを知りました。 内容は偏屈なおっさんの繰り言という感じで、我が意を得たり、と思うことが多くありました。 そのなかに、寂しがり屋の一人好き、という言葉がありました。 こういう感覚、誰にでもあると思います。 それをこういう言葉で表すところに、この人のエッセイの神髄があるように思います。 また、人間ドックをやった。どうやら小さな動脈硬化があるらしい。おいしいものを食べて早く死ぬか、まずいもので長生きす...
文学

アーモンド

昨日は珍しく、韓国の小説を読みました。 翻訳部門で本屋大賞を受賞した「アーモンド」です。アーモンドソン・ウォンピョン祥伝社 生まれつき偏桃体(アーモンド)が極端に小さく、そのためにほとんど感情を持たず、他人に共感することもできない怪物と呼ばれる少年と、逆に感情の塊のような粗野で乱暴な不良少年との不思議な交流を描き、それぞれの少年が少しづつ成長していく過程を描いています。 私は「箪笥」や「半地下の家族」などの名作映画を作り出した韓国のエンターテイメント作りの巧妙さに惹かれますが、小説は読んだことがありませんでした。 韓国には著名な古典文学も無く、文学不毛の地だと思っていたのです。箪笥<たんす>(字幕版)イム・スジョンパラサイト 半地下の家族 (字幕版)ポン・ジュノ しかしこの小説を読んで、それは私の誤解であったことに気付きました。 「アーモンド」では、恐怖や怒り、愛や喜びといった感情とは何なのか、心と脳の関係は、といった問題が感情の無い少年の目線で語られます。 16歳の少年が少しづつ感情の芽生えを見せるのですが、20歳になった時、30歳になった時どのように変化しているのか切実に知りたいと...
文学

夜行秘密

今日はとても魅力的な小説を読みました。 「夜行秘密」です。夜行秘密カツセマサヒコ双葉社 作りは、いわゆる群像劇になっています。 登場人物が次々と一人称で告白し、それがやがて一つの物語になっていく、という。 天才映像作家、その熱狂的なファンの女、MVを作ってもらうことになった新人アーティスト、新人アーティストの恋人、天才映像作家のマネージャーを務める美女など。 それらの人々がそれぞれの立場で告白し、それらが大きなうねりと小さな誤解とを生んで、悲劇的な物語へと昇華します。 物語の終わりが近づいて、もう新人ではなくなったバンドのヴォーカルが独白します。 おれが思い出すのは大抵、楽しかった記憶とかじゃなくて、後悔の記憶だ。あの時、ああしていれば良かったと、記憶を巻き戻してみては、選ばなかった方の人生を想像してしまう。どうしても輝いて見えるBルートを想像しては、そっちの未来を願ってしまう。 非常に印象的です。 おそらく、後悔の無い人生なんてあり得ないと思います。 あの時、こっちではなくてあっちを選んでいたら、と空想するのは誰にでもあることです。 私など、そんなことがあまりにも多くて、後悔と言われ...
文学

一人称単数

昨日から観測史上最大の大型台風が関東、特に千葉県と茨城県を襲うとの報道が繰り返し流されています。 夏休みは昨日で終わり、今日から出勤の予定でしたが、安全な建物から出ずに外出を控えろ、とのことでしたので、大事を取って今日は急遽休暇を取ることにしました。 リスクが高いことを承知で出勤するなんて馬鹿げていますから。 で、小説を読みました。 村上春樹の短編集「一人称単数」です。一人称単数 (文春文庫)村上春樹文藝春秋 この人の書いたものはノンフィクション以外すべて読んでいると思っていたのですが、偶然本屋で見つけて、購入しました。 村上作品は長編が出ると大騒ぎとなり、書店に長蛇の列が出来ることがほとんどですが、短編集の場合そういった現象が起きないため、見過ごしていたようです。 この作者にしては珍しく、私小説的な作品が多かったように思います。 もう70代を迎えることから来し方を振り返るような作品が書きたかったのかもしれません。 それは筆の衰えと言うより、手慰みのような、独特の味わいがあります。 長編を得意とする作家ですが、こういう物も良いと思います。 短歌を詠む女性との一夜をつづった「石のまくらに...
スポンサーリンク