文学

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僕の神さま

昨日は午前中、一週間分の食料の買い出しに行った他は静かに読書をして過ごしました。 芹沢央という作家の「僕の神さま」という小説です。僕の神さま (角川文庫)芦沢 央KADOKAWA 小学校5年生の僕が主人公で、冷静沈着、何事もすらりと解決してしまう神さまとあだ名される少年との交流を描いています。 春・夏・秋・冬・エピローグという構成の連作短編集の形式を取っています。 春の章は少年らしい心の揺らぎを描いたほのぼのしたもの。 しかし夏・秋・冬と、異常に絵がうまい転入生の少女が、大酒飲みでパチンコ中毒の父親に苦しめられていることが語られ、ついには父親を事故に見せかけて殺害することを夢想していることが判明します。 これに対し、神さまとあだ名される少年はそれを肯定し、僕を愕然とさせます。 少女は児童保護施設への保護を希望しますが、施設から出ると父親は施設の管轄外の地域に引っ越してしまいます。 こんなことを繰り返しているのです。 少女は転校していきますが、その後父親に殺されたという噂が広がり、さらには少女の怨霊が学校に存在するとまで拡大し、少年少女たちを恐怖に陥れます。 総じて少年少女たちの瑞々しい...
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ラブレス

昨日はコレステロールの薬をもらいに内科に、今日は散髪に行った以外、静かに読書をして過ごしました。 桜木紫乃の「ラブレス」を読みました。 この作者の小説を三冊続けて読んでいます。 北海道を舞台に、二人の女性の一生が大河ドラマのような壮大さで描かれます。 奔放に生きた姉と堅実に生きようとした妹の物語に様々な登場人物が絡んで、人生というものを考えさせられます。 みな同じように脱皮を繰り返し、螺旋階段を上るように生きてゆく。 人はみな手前勝手なもんだから、自分の幸せのためなら手前勝手に生きていい。 どこへ向かうも風のなすまま。からりと明るく次の場所へ向かい、あっさりと昨日を捨てる。捨てた昨日を悔んだりしない。 奔放に生きた姉の言葉でありながら、堅実に生きようとして奔放に憧れた妹の悔いのようにも読み取れます。 親子孫、三代に渡る物語に魅了されました。ラブレス(新潮文庫)桜木紫乃新潮社
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三連休

三連休。 前回の診察で処方された新しい薬のおかげか、飲み始めて15日目くらいから明らかに調子が良くなってきました。 激しい落込みから軽い落込みへと改善しました。 軽い落込みがあると言ってもずいぶん楽です。 初日の土曜日は大雨で、午前10時半に予約していた歯医者に行った以外は自宅でのんびりと過ごしました。 半年に一度歯のクリーニングを行っており、土曜日がそうでした。 おそらく誰でもそうでしょうが、歯医者というのは嫌なものです。 歯を削ったり詰め物をしたり。 私はクリーニングだけですが、それでもいつも億劫です。 昨日、日曜日は午後そごう千葉店に出かけました。 北海道物産展で買い物を楽しむためです。 大変な人出でしたが、 物産展のなかでも北海道はテンションが上がります。 旨い海産物や北海道ならではのスイーツがあります。 うす味の貝の漬物とルイベの粕漬、それにウニとイクラとカニがヤケクソ気味にてんこ盛りになった海鮮丼を購入。 どれも少々高かったですが、良い買い物をしたと思っています。 晩はそれらで熱燗を頂きました。 秋から冬にかけて酒の味が一段上がります。 飲みすぎには気を付けなければならない...
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ふたりぐらし

今朝目覚めたら喉がひどく痛み、咳が止まりません。 体の節々が痛み、微熱がありました。 出勤できないことも無いかなと思いましたが、こじらせる前に治したいと思い、仕事を休んで内科に行きました。 つい一週間ほど前に同じ部屋で執務する後輩がコロナに罹ったことも心配でしたし。 内科でコロナの検査を行った結果、幸い大丈夫でした。 抗生物質やら咳を止める薬やら色々薬が出て、朝と昼に飲んだら大分楽になりました。 ただし、喉の痛みは相変わらずです。 多少体調が良くなったので、「ふたりぐらし」という小説を読みました。ふたりぐらし (新潮文庫)桜木 紫乃新潮社 今では職業として成り立たなくなった映写技師で脚本家になる夢を捨てきれない40歳の男と看護師で36歳の妻との生活がそれぞれの目線で交互に語られる連作短編集の体裁を取っています。 看護師の妻が夫を養っており、世間から見れば夫はヒモです。 しかし二人は仲睦まじく、生活を楽しんでいます。 家族の始まりとでも言いましょうか。 そしてそれぞれの親との関係性も描かれます。 母親はどちらもいわゆる毒母に近い人です。 その母親との関係の難しさは、私の義母と同居人を見て...
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夜のピクニック

昨日は一昨日と打って変わって静かに読書をして過ごしました。 恩田陸の「夜のピクニック」です。 この人はミステリーやホラーの作家というイメージを漠然と持っていましたが、「夜のピクニック」はいわゆる青春小説と呼ばれる分野かと思います。夜のピクニック(新潮文庫)恩田 陸新潮社 田舎町の進学校、北高。 ここでは1年生から3年生、全員が参加する奇祭、歩行祭が毎年行われています。 朝8時に学校を出発し、途中で休憩や2時間の仮眠を挟んで80キロの道のりを翌朝8時までに歩き通すという過酷なものです。 しかし、ヘトヘトになりながらも達成感があるらしく、多くの生徒は歩行祭の実施を支持しています。 ただ歩くだけで何の事件も起こらないのですが、歩行中に生徒達の間で交わされる会話が面白く、文庫本で447ぺージの作品を一気に読んでしまいました。 最後の学校行事である受験を控えた高校3年生の数人を主人公にした物語です。 私はもちろん夜通し歩くなんて体験はありませんが、この小説を読んで、何となく懐かしいような、ノスタルジックな気分に浸りました。 近くにいなければ忘れられる。忘れられればいないのと同じ。 こんなフレーズ...
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