文学

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おじさんはどう生きるか

今朝は6時半に起きて生卵と納豆で白飯を食いました。 その後日曜日の朝恒例の洗濯。 朝が弱い同居人は夢の中です。 午前中はテレビなど観てだらだら過ごし、昼は近所の蕎麦屋で鴨せいろを食しました。  その後床屋で散髪しました。 午後は読書。 軽い物が読みたいと、かねて購入してあった松任谷正隆の「おじさんはどう生きるか」というエッセイ集を読みました。おじさんはどう生きるか (中公文庫)松任谷正隆中央公論新社 私はこの人、松任谷由美の旦那で音楽関係の仕事をしているとしか予備知識はありませんでした。 しかしこのエッセイを読むと、文章を書いたり、音楽劇の演出をしたり、バンドをやったりと多彩な活動をしていることを知りました。 内容は偏屈なおっさんの繰り言という感じで、我が意を得たり、と思うことが多くありました。 そのなかに、寂しがり屋の一人好き、という言葉がありました。 こういう感覚、誰にでもあると思います。 それをこういう言葉で表すところに、この人のエッセイの神髄があるように思います。 また、人間ドックをやった。どうやら小さな動脈硬化があるらしい。おいしいものを食べて早く死ぬか、まずいもので長生きす...
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アーモンド

昨日は珍しく、韓国の小説を読みました。 翻訳部門で本屋大賞を受賞した「アーモンド」です。アーモンドソン・ウォンピョン祥伝社 生まれつき偏桃体(アーモンド)が極端に小さく、そのためにほとんど感情を持たず、他人に共感することもできない怪物と呼ばれる少年と、逆に感情の塊のような粗野で乱暴な不良少年との不思議な交流を描き、それぞれの少年が少しづつ成長していく過程を描いています。 私は「箪笥」や「半地下の家族」などの名作映画を作り出した韓国のエンターテイメント作りの巧妙さに惹かれますが、小説は読んだことがありませんでした。 韓国には著名な古典文学も無く、文学不毛の地だと思っていたのです。箪笥<たんす>(字幕版)イム・スジョンパラサイト 半地下の家族 (字幕版)ポン・ジュノ しかしこの小説を読んで、それは私の誤解であったことに気付きました。 「アーモンド」では、恐怖や怒り、愛や喜びといった感情とは何なのか、心と脳の関係は、といった問題が感情の無い少年の目線で語られます。 16歳の少年が少しづつ感情の芽生えを見せるのですが、20歳になった時、30歳になった時どのように変化しているのか切実に知りたいと...
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夜行秘密

今日はとても魅力的な小説を読みました。 「夜行秘密」です。夜行秘密カツセマサヒコ双葉社 作りは、いわゆる群像劇になっています。 登場人物が次々と一人称で告白し、それがやがて一つの物語になっていく、という。 天才映像作家、その熱狂的なファンの女、MVを作ってもらうことになった新人アーティスト、新人アーティストの恋人、天才映像作家のマネージャーを務める美女など。 それらの人々がそれぞれの立場で告白し、それらが大きなうねりと小さな誤解とを生んで、悲劇的な物語へと昇華します。 物語の終わりが近づいて、もう新人ではなくなったバンドのヴォーカルが独白します。 おれが思い出すのは大抵、楽しかった記憶とかじゃなくて、後悔の記憶だ。あの時、ああしていれば良かったと、記憶を巻き戻してみては、選ばなかった方の人生を想像してしまう。どうしても輝いて見えるBルートを想像しては、そっちの未来を願ってしまう。 非常に印象的です。 おそらく、後悔の無い人生なんてあり得ないと思います。 あの時、こっちではなくてあっちを選んでいたら、と空想するのは誰にでもあることです。 私など、そんなことがあまりにも多くて、後悔と言われ...
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一人称単数

昨日から観測史上最大の大型台風が関東、特に千葉県と茨城県を襲うとの報道が繰り返し流されています。 夏休みは昨日で終わり、今日から出勤の予定でしたが、安全な建物から出ずに外出を控えろ、とのことでしたので、大事を取って今日は急遽休暇を取ることにしました。 リスクが高いことを承知で出勤するなんて馬鹿げていますから。 で、小説を読みました。 村上春樹の短編集「一人称単数」です。一人称単数 (文春文庫)村上春樹文藝春秋 この人の書いたものはノンフィクション以外すべて読んでいると思っていたのですが、偶然本屋で見つけて、購入しました。 村上作品は長編が出ると大騒ぎとなり、書店に長蛇の列が出来ることがほとんどですが、短編集の場合そういった現象が起きないため、見過ごしていたようです。 この作者にしては珍しく、私小説的な作品が多かったように思います。 もう70代を迎えることから来し方を振り返るような作品が書きたかったのかもしれません。 それは筆の衰えと言うより、手慰みのような、独特の味わいがあります。 長編を得意とする作家ですが、こういう物も良いと思います。 短歌を詠む女性との一夜をつづった「石のまくらに...
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また猫と

今朝は朝一番で内科に行きました。 4カ月に一度の血液検査のため、採血があったからです。 その後しばし休んでそごう千葉店に行きました。 今使っているバスタオルが大分くたびれてきたからです。 ネット通販でも良いのですが、身に着ける物と同様、手触りを確かめてから購入したいと思いましたので。 で、少し高いけど極めて肌触りの良いバスタオルを2枚購入。 その後昼食を摂り、本屋へ。 文庫本の小説を2冊購入。 帰宅してから、かねて購入してあった歌集を読みました。 「また猫と」という猫の挽歌集です。 歌人は大の猫好きで、多くの保護猫を飼ったり、里親とのパイプ役になったり、猫無しの生活は考えられない人のようです。 私はたまに愛でるくらいなら良いですが、飼うのは犬も猫も絶対に嫌です。 実家で犬を飼っていたことがあり、野良猫を餌付けしたりもしていました。 犬猫は当たり前ですが生きているので、その体温が暑苦しく、しかもほぼ確実に10数年で死んでしまうし、金はかかるしで、私にとって良いことは何もありません。また猫と 猫の挽歌集仁尾 智雷鳥社 で、「また猫と」。 不謹慎 かもしれないが猫の死は ひとのそれよりこたえ...
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