文学

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伝染(うつ)る

私の職場、インフルエンザが猛威を奮っています。 20人ほどの小さな課で、3人が罹患してすでに治りましたが、今日2名から電話があり、罹患したそうです。 すると20分の5ということになります。 すいぶん多いですね。 幸い、私はインフルエンザに罹患していません。 去年は発症してえらい目にあいました。 50キロしかなかった体重が47キロまで落ちましたし。 今は少し増えて、50キロから52キロの間をうろうろしています。 お年寄りや子供でないかぎり、通常、インフルエンザで死に至ることはありません。 薬を飲まなくても、かなりしんどい思いはしますが、大抵は自然に治るようです。 ただ、普通の風邪よりもはるかに高い熱が出るし、全身の倦怠感、喉や鼻の痛みが辛いので、その辛さと感染力とが、人をしてかの病を怖れさせているように思います。 そういえば去年、インフルエンザで外出禁止になっているのに、懸案の仕事があるとかで出勤し、「早く帰れ」と言われ、「私のは犬型インフルエンザだから人にはうつりません」と笑えない冗談を言い、「お前を心配して言ってるんじゃない。ほかの職員のためだ」と上司に叱られている間抜けなやつがいま...
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藪入り

江戸時代、藪入りという習慣があったそうです。 3年間奉公すると、年に2度、3日程度実家に帰れるという嬉しい習慣です。 通常、1月16日と7月16日が藪入りとされていたそうです。 つらい奉公に耐える子供にとっても、迎える親にとっても待ちに待った日でしょう。 それを思えば、週休2日、年休も20日あって、祝日にも休める現代のサラリーマンは恵まれています。 しかし、別れはすぐにやってきます。 藪入りや 犬も見送る かすむまで  こんな川柳が残っているほど、藪入りの終わりは切ないものだったようです。 しかし、奉公先で経験を積み、成長した子供は親許で過ごすのが退屈だった場合もあるらしく、友人と遊んでまわっていたという話も伝え聞きます。 藪入りの 二日は顔を よそに置き そんな奉公人の様子を表した川柳です。 お年頃の奉公人には、親許は堅苦しかったのかもしれませんね。 今も中学生くらいになると親が疎ましく感じるのがむしろ普通ですから。 江戸時代の奉公人やその親の切ない願いを乗せた藪入り。 多くの落語の題材にもなっています。 私たち現代のサラリーマンは、古人の苦労を偲び、あまたの労働運動などに身を投じた...
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今日は冬至ですね。 一年で最も日が短い日。 逆に言えば、明日から少しづつお日様が長く拝めるようになるというわけで、それは嬉しいですねぇ。 でも本当に寒いのは年が明けてから。 1月・2月は首都圏でも尋常ならざる寒さになります。 それなのに、正月を新春と言うのはおかしなことです。 旧暦と新暦ではざっくり一か月半程度ずれています。 すると旧暦の正月は2月の後半になるわけで、その頃なら気温は低いながらも陽射しが強くなり始め、新春というのもうなづけます。 それは大寒にしても立春にしてもみなそうです。 石原慎太郎はかねてから、旧暦の日付に合うように新暦の日付を読み替え、例えば旧正月を新春と呼ぶなど、季節の実感に合った暦に直すべきだと主張しています。 全くそのとおりだと思います。 そうでなければ、季節感を大切にしてきたわが国の伝統文化が、おかしなことになってしまいます。 何も旧暦に戻せと言うつもりはありません。 グローバル化が進んだ世界をわが国も生きているわけですから、そんな時代に逆行するようなことが出来ようはずもありませんし。 ただ二十四節季などの暦を、日付の字面に捉われることなく、本来の日付に合...
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寒さ早かり

今日は冷たい雨が降っています。 そのせいでしょうか、今日はなんとなくだるい一日でした。 こんな日は、仕事のペースを落としてやり過ごすほかなく、なんとも冴えない感じです。 いつも元気で、仕事は全力投球というのが理想ですが、そうもいかないのが生身の生き物である私たちの宿命と言えましょう。 体のバイオリズムというのは不思議なもので、しっかり食って、たっぷり眠っても、駄目な時は駄目です。 昔のお百姓さんは大変だったでしょうね。 少々だるくても、腰を曲げて鍬をふるったり、田植えや稲刈りをしなければならなかったのですから。 冬枯の 野に向く窓や 夕ぐれの 寒さ早かり 日は照しつつ 島木赤彦の歌です。赤彦歌集 (岩波文庫)島木 赤彦,斎藤 茂吉,久保田 不二子岩波書店 今日は日は照っていませんが、夕暮れの寒さはいかにも早いようで、大儀な体に堪えます。 今宵は熱燗はほどほどに、早寝するにかぎるようです。にほんブログ村本・書籍 ブログランキングへ
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ブリード ー血を吸う子供ー

昨夜はなんだか中途半端なJホラーを観てしまいました。 「ブリード 血を吸う子供」です。 シングル・マザーの精神科医。 彼女の幼い息子は、念力で物を動かす力を持っています。 ある時、傷は浅いのに大量に失血して死亡している遺体が発見され、しかもそれは連続します。 精神科医が謎解きとしながら息子との微妙な関係性を保とうと努力するお話。 やがて彼女は、山奥で自然分娩を行う産科医のもとで生まれた子供たちにはそれぞれに不思議な能力があり、しかも短命であることを知ります。 で、精神科医と産科医との対決となります。 産科医は若い頃アフリカの奥地で不思議なドラッグにより、2千年も生きてられる部族と出あい、その秘密にふれ、その力を広めることで人間を新しい地平に導こうと考え、妊婦にドラッグを飲ませるのです。 ほとんど不老不死になるのと引き換えに、彼らは極端な紫外線アレルギーで日の光にあたることができず、それかあらぬか生き血を吸わなければならない体になります。 これ、まるっきりドラキュラですね。 また、ドラッグを飲んで子供を産んでも、多くの子供は過剰な力を持つがゆえにエネルギーが枯渇し、子供のうちに死んでしま...
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