文学

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スペインのサスペンス

今朝はスペイン製のスリリングなサスペンスを鑑賞しました。 「ペインレス」です。 世の中には不思議な病気があって、痛みを全く感じない奇病に冒された患者がいるそうですね。 そういう人は大怪我や大火傷を何十回もくりかえすのだそうです。 痛みがどれほど生きる上で必要かが分かろうと言うものです。 この映画は、1931年、スペインのある村で、何十人もの痛みを感じない子どもたちが発見されたことによる悲劇を、現代と交錯させながら描いて見事です。ペインレス アレックス・ブレンデミュール,トーマス・レマルキス,イレーネ・モンターラ東宝 痛みを感じない子どもたちは、自傷行為に及ぶばかりでは無く、人の痛みも理解できないため、他人をも傷つけてしまう危険な存在です。 そのため、村の幹部は子どもたちを刑務所の独房に生涯閉じ込めることにします。 時代はスペイン内戦から第二次世界大戦に向かい、戦後はフランコ独裁により苛烈な政治が続いた頃。 一方、現代。 ある中年医師が癌に冒され、両親から骨髄移植を受けなければ余命いくばくもないことが判明し、両親に頼みこみます。 しかし両親は、悲しげな顔で、希望に添いたいが、不可能だと言...
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荷風散人とフランス抒情詩

おととい、昨日とわりと出歩いたので、今日は昼飯を食いに目の前のイタ飯屋に行ったのと、晩のつまみに活赤貝の刺身と魚屋特製の半生の〆鯖購入のために魚屋に行った以外は、家で大人しく過ごしました。 自室で本の整理などしていたら、懐かしい訳詩集が出てきて、思わず全部読んでしまいました。 「珊瑚集 仏蘭西近代抒情詩選」です。珊瑚集―仏蘭西近代抒情詩選 (岩波文庫)永井 荷風岩波書店 永井荷風がボードレールやヴェルレーヌらフランスの詩群の中から厳選し、流麗な文語体で本朝の言葉に移して新たな命を吹き込んだ大正時代の訳詩集で、当時「海潮音」と並んでフランスの詩風を本朝の詩を愛好する紳士淑女に紹介し、もてはやされたと伝えられます。海潮音―上田敏訳詩集 (新潮文庫)上田 敏新潮社 永井荷風というと、皮肉屋の散文作家のイメージが強いですが、散文作品にも詩の精神が確かに宿っており、詩作はよくしなかった代わりか、訳詩で心を慰めたものと推量します。 永井荷風です。 例えば「ロマンチックの夜」と題されたノワイユ伯爵夫人の詩の一節。 よろづの物われを惑わしわれを疲らす。 行く雲軽く打ち顫ひ、 慾情の乱れ、 ゆるやかなる...
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生き生き

今日は忙しかったですねぇ。 朝9時半から正午まで他機関の人々とテレビ会議。 午後1時からまた会議。 その後、明日から3日間に渡って続くイベント準備。 へとへとになりました。 それでも驚異的な集中力を発揮し、残業を忌避しました。 残業を覚悟していたので、ほっとしました。 今週は気が張っているせいか、なんとなく元気です。 警備のおじさんにも、「肌つやが良いんじゃないですか?」と言われました。 忙しくなって生き生きするというのは、精神障害発症以前には当たり前のことでしたが、精神障害を得て、忙しいと気分が沈むばかりでしたから、よくぞここまで回復したものだと、感慨深いものがあります。 この調子でとりあえず3月末まで、今の席での仕事を乗り切りたいと思っています。にほんブログ村 人気ブログランキングへ
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松の内

いつも分からなくなるのですよねぇ。 正月飾りをいつ処分すればよいのか。 1月7日だったような、15日だったような。 で、調べてみたら、以下のようなことのようです。 もともと、鏡開きは松の内が終わった後の1月20日(旧暦)に行われていたそうです。 しかし、徳川家光が慶安4年(1651年)4月20日(旧暦)に亡くなった際、徳川幕府のお膝元である関東では1月20日を忌日として避けるようになりました。 鏡割りは1月11日に行われるようになったが、松の内の間に鏡開きを行うのもおかしいということで、松の内自体も1月7日までに短縮されたとされています。 地域によって松の内の期間が異なるのは、こうした関東での風習が全国に広まらなかったためと考えられているそうです。 けっこういい加減に決めているのですねぇ。 確かに七草がゆを食う1月7日で松の内が開けるというのは実感としてしっくりきます。 そうすると明日まではまだおめでたいお正月ということで、もう一つやる気が涌かないのも道理です。 正月の 子供に成て 見たき哉 小林一茶の句です。一茶句集 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)小林 一茶角川学芸出版 お正月と...
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「偽文士日碌」などをごろごろと

長いと思っていた年末年始のお休みも今日で終わり。 どんよりと曇って、底冷えがします。  リビングで、ホットカーペットをつけて横になり、猫のようにごろごろしながら筒井康隆の「偽文士日碌」を読み進めています。偽文士日碌 (角川書店単行本)筒井 康隆KADOKAWA / 角川書店 不思議と、明日からの仕事を思って憂鬱になるということもありません。 精神はいたって健康なようです。 「偽文士日碌」は今日アマゾンから届いたものですが、帯を見てしまった、と思いました。 筒井康隆のブログを書籍化したものだと書いてあるではありませんか。 ブログならただで読めるものを。 ⇒ 偽文士日碌です。 しかし本になっていると読みやすいですから、よしとしましょう。 流行作家はブログを書籍化しても金になるのだから羨ましいかぎりです。 筒井康隆のひねくれた感じというか、ブラックな点がお気にりで、中学生の頃から愛読しています。 しかしこの人、ご老体にも関わらずじつによく食っているようです。 バイタリティのある人は大抵食欲旺盛ですね。 私のごとき少食では力が出ないのでしょう。 また、2008年11月の記事に、執筆中の「現代語...
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