文学 立冬
今日は立冬。 冬というほどではないにしても、近頃めっきり冷えてきました。 家ではセーターの上から綿入れ半纏を着て、職場ではフリースを羽織って膝かけをかけてしのいでいます。 体重が激減してから、寒さが一際こたえます。 わが国では、夏と冬の和歌が少なく、春と秋のそれが多いとされています。 わが国の美意識では、過酷な夏や冬は詠みにくかったのかもしれませんねぇ。 昔は冷房は無いし、暖房も心細いものだったでしょうから、私たちが想像する以上に、夏も冬もしんどい季節だったのでしょう。 そんな中、冬の初めの和歌をいくつか。 心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花 百人一首にも採られた凡河内躬恒の和歌です。原色小倉百人一首―朗詠CDつき (シグマベスト)鈴木 日出男,依田 泰,山口 慎一文英堂 霜で白菊の花だかなんだか分からなくなってしまったその白菊を折ってみようというわけで、素朴な味わいの、しかしきれいな和歌ですねぇ。 冬には冬の楽しみがあるとでも言いたげです。 秋はいぬ 風に木の葉は散はてて 山さびしかる 冬は来にけり 木の葉散 秋も暮にし 片岡の さびしき森に 冬は来にけり ...