文学 月見草
今朝の千葉市は雨が降り、ずいぶん涼しかったですねぇ。 すぐに晴れて暑くなりましたが。 夕方からまた雨の予報が出ています。 なんだか夏と秋がせめぎ合っているようです。 そこで、若山牧水のこんな歌を。 青草の なかにまじりて 月見草 ひともと咲くを あはれみて摘む若山牧水歌集 (岩波文庫)伊藤 一彦岩波書店 月見草と言えば俳句では晩夏の季語とされいます。 ストレートに月見草を詠んだ句というと、高浜虚子の、 開くとき 蕋(シベ)の 淋しき 月見草 虚子五句集 (上) (岩波文庫)高浜 虚子岩波書店虚子五句集 (下) (岩波文庫)高浜 虚子岩波書店 蕋とは雄蕊、雌蕊の蕋です。 どちらも晩夏の寂しさを詠んでいるように感じられます。 それはおそらく、春愁秋思の、秋思の前触れともいうべき現象で、元々は白楽天の漢詩に見られる言葉ですが、大陸の人々は文化大革命などで、古い価値観や美意識を捨ててしまったようで、むしろ現代ではわが国に見られる独特の感覚になってしまったようですね。白楽天詩選 (上) (岩波文庫)川合 康三岩波書店白楽天詩選(下) (岩波文庫)川合 康三岩波書店 世の移ろいは不思議なもので...