文学

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野分

台風27号が接近中です。 しかも大型で強いとか。 つい先週、台風26号の影響で首都圏の交通網は麻痺したばかり。 今度の台風は、土曜日に首都圏に最接近するそうで、通勤には影響しないのが救いと言えば救いです。 ただ、私は日曜日にイベントがあるため出勤の予定。 台風の速度が少し遅れれば、日曜日であっても影響を受ける可能性無しとしません。 うん十万円もかけてポスターやチラシを作成して関係機関にばらまき、準備おさおさ怠りなく進めてきたこともあり、無事に開催したいものです。 古く、私たち日本人は台風なんていう無粋な言葉を使いませんでした。 台風という言葉の意味とはぴったり一致するわけではありませんが、野分と言いましたね。 最も野分というと、雨より強風のイメージが強いですが。  鳥羽殿へ 五六騎急ぐ 野分哉 与謝蕪村の句です。 与謝蕪村と言う人、史実に材を採った句を残しており、これもその一つかと思われます。 鳥羽殿とは、平安期に主に上皇が利用していた鳥羽離宮のことですが、この句では、後白河法皇が平清盛によって幽閉された事件を指しているものと思われます。 京都の自宅で台風に怯えながら、俳人は鳥羽離宮に...
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日本教信者

昨夜、韓国で生まれ育ちながら日本教信者を自認し、日本に帰化した呉善花先生の「私はいかにして日本信徒となったか」を読みました。私は、いかにして「日本信徒」となったか (WAC BUNKO)呉善花ワック 韓国の田舎で生まれ、都会に憧れてソウルの高校に入学し、ヨーロッパに憧れて当時西ドイツが多くの韓国人看護師を受け入れていると聞いて看護学校に進むも、西ドイツが政策を転換するや退学し、なぜか職業軍人になります。 軍は4年ほどで辞め、今度は米国留学を夢見ますが、当時韓国人が米国のビザを取るのは至難の業であったため、とりあえず日本に留学し、それを足掛かりにして米国留学を目指そうと決意します。 この時、もう27歳。 しかも強い反日教育を受けた最初の世代とあって、日本といえば悪魔の国と答えるほど、ガチガチの反日意識を持ったまま、米国留学のための方便だと自分に言い訳しつつ、東京にやってきます。 1980年代初頭のことです。 当時すでに日本は経済成長をとげ、やがて来るバブルの予感に浮かれていたわけですが、韓国はまだ貧しく、初めての東京生活は驚きの連続だったそうです。 風呂トイレが付いた1DKのアパートを借...
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レンタル彼氏

世の中には不思議な職業があるものですねぇ。 昨日、夕方のニュース・ショーを見ていたら、近頃、レンタル彼氏なる商売が繁盛していることを知りました。 女性が若いイケメンとご清潔なデートを楽しむためにお金を払う、というシステムのようです。 主に20代前半の男性とのデートを、20代から50代の幅広い層の女性が利用しているとか。 冷え切った夫婦関係に不満を持つ主婦、夫の浮気が原因で離婚したシングル・マザー、若くして管理職となって年上の部下との関係性に苦しむ独身女性などなど。 中には男性と話をするのが怖いのでそれを克服したい、という切実な悩みを抱えた女性もいるようです。 レンタル彼氏に採用されるのは、100人中3人か4人という狭き門。  採用の条件は、ホスト経験が無いこと、清潔感があること、聞き上手であること、気配りが細やかなこと、そしてもちろん、若くてイケメンであること、だそうです。ホスト経験が無い、という条件が、主に中高年女性の性欲を満たすイメージがある出張ホストと異なる点でしょうねぇ。 面白いのはホスト経験があってはいけないことですかねぇ。 普通のデートのような楽しさを求める女性には、素人っ...
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寒露

今日は二十四節季の17番目、寒露ですね。 「暦便覧」では、陰寒の気に合つて露結び凝らんとすれば也と説明しいています。 また、他の辞書では、雁などの冬の渡り鳥が渡ってきて、蟋蟀が鳴きやむ頃、とも。 ひらたく言えば、秋が深まり、そろそろ冬が近付く頃ということでしょうが、毎度のことながら、旧暦の暦を新暦に合わせることなく、日付けをそのままにしているのは奇妙な感じがして仕方ありません。 新暦と二十四節季が合うようにしないと、二十四節季なんて、観念上の遊びに堕してしまいます。 新室に 歌よみをれば 棟近く 雁がね啼きて 茶は冷えにけり  正岡子規の和歌です。 ちょうど寒露の頃を詠んだものと思われます。 茶は冷えにけり、というのが、いかにも冬の到来を実感させますねぇ。子規歌集 (岩波文庫)土屋 文明岩波書店 しかし、今日の首都圏はかなり気温が上がりそうです。 多分25度は超えるでしょう。 実感としては、まだ初秋の気分です。 唯一、日が短くなったことが、秋を感じさせます。 秋から冬にかけて、なんとなく気分が沈む季節。 しかも年度末に向かって仕事量が増えて行きます。 ここは抗うつ薬を頼りに、出勤を続け...
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スーパー能「世阿弥」

今日はNHKで変わった能を観ました。 スーパー能「世阿弥」です。 梅原猛が書き下ろした全編現代語の能で、地謡や太鼓や鼓は能舞台に上がらず、オペラのオーケストラのように一段下に陣取っていました。 さらに、通常の能では照明を変化させることはありませんが、暗くしてみたり、青白くしてみたり、誠に奇異な能でした。 内容は、観世流の創設者にして能の大成者、世阿弥とその妻、さらには息子との情愛を描いたもので、現代語だけに分かりやすいものでしたが、どうしても能らしい幽玄の美のようなものが感じられず、中途半端な印象を受けました。 時の権力者、足利将軍に疎まれた世阿弥親子。 世阿弥の子、元雅は足利将軍が放った刺客に殺されてしまいます。 観世流が途絶えてしまう、と嘆き悲しんだ世阿弥は妻と心中することを決意しますが、そこに元雅の亡霊が現れて、自分は観世流を守るために死んだのだ、足利将軍の怒りはおさまり、まさか能の大成者である世阿弥まで殺害することはないでしょうから、どうか父上は長生きして観世流を復興させてほしい、と願い、去って行きます。 その噂を聞いた金春流など、他の流派の能楽師が世阿弥を訪ね、元雅から能の秘...
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