文学 梅雨明け
なんだか知らないうちに首都圏は梅雨明けを迎えたようですね。 昨日、今日と猛暑でした。 もっとも、今年は節電の要請もなく、エアコンを効かせた部屋で執務しているのでほとんど暑さに苦しめられることはありませんが。 かりにくと 恨みし人の 絶えにしを 草葉につけて しのぶ頃かな うとましく思われた人間関係も、なくなるとなるとさすがにさみしく思われる、そんな微妙な心を歌っています。 しかしそれがなぜ夏であるのかはよく分かりません。 花散りし 庭の木の間も しげりあひて あまてる月の 影ぞ稀なる これはうまいですねぇ。 夏への季節の推移を木立の繁茂する点でとらえ、さらにそこからもれてくる月の光を焦点としたものでしょうか。 いずれも新古今和歌集にみられる曽弥好忠の和歌です。 わがくにびとは古来、どの民族よりも季節感を大切にし、春には花を、夏にはホトトギスを、秋には月を、冬には雪を風流なものとして愛でてきました。 それは今もなお連綿とわが国民に受け継がれ、花見や月見、雪見の酒を楽しむことを良しとしていますね。 私は過酷な夏は苦手ではありますが、日本古来の美意識に従って、ホトトギスでも詠んでみましょう...