
発症から寛解、その後
私は30代半ばでうつ病を発症し、その後激躁が起こって双極性障害に診断が変わりました。 寛解したのが40歳。 それまでは病気休職と復職を繰り返していましたが、ここ8年ばかりは、きちんと出勤しています。 それはもちろん、服薬を続けたうえでの話で、服薬は高血圧の薬と同様、一生続けなければなりません。 主治医は、癌の5年生存率を持ち出して、5年再発しなければ治療は大成功だと言え、まして8年間きちんと働けているのは全く立派なことだ、と褒めてくれます。 確かに、うつで落ち込んでいる時や、躁で激しく上がっている時のことを思えば、今の私の精神状態は凪のように静かです。 しかし同時に感じるのは、双極性障害の寛解というのは、発病前と同じになることとは異なっているのだな、ということです。 私は少年時代から、将来は小説を書いて食っていきたいと思っていました。 それは発病前の30代半ばにいたっても、そうでした。 いずれは勤めを辞めて、フリーのライターになるのだ、と。 まぁ、夢というか、欲望というか、野心が強かったのでしょうねぇ。 しかし、40歳でほぼ寛解した時には、そういう思いは消えていました。 何しろ疲れやす...