思想・学問

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大予言

私が小学生だった1970年代後半、ノストラダムスの大予言という本が流行って、テレビでも特集番組がたびたび放送されました。 当時は、1999年7月に人類が滅ぶ、という予言が、恐怖をもって語られることがもっぱらでした。 1999年7の月、恐怖の大王が天から降ってくる。 彼はアンゴルモアの大王を蘇生させ、その前後、マルスが正義の名のもとに世界を支配する。 うろ覚えですが、上記のような内容だったと思います。アンゴルモアの大王という言葉が何を指すのか、今もって定説は無いようですが、マルス(火星)というのは、米国を指すとされています。 要するに何か恐ろしい事態が起きるらしいこと、その当時、米国が正義の名のもとに世界を支配している、ということが読み取れます。  恐怖の大王を、巨大隕石だと解釈したり、宇宙人だと言ったりする怪しい研究者がテレビで恐怖を煽っていましたね。ノストラダムスの大予言 迫りくる1999年7の月人類滅亡の日 (ノン・ブック)五島勉祥伝社 小学生だった私は、1999年7月だと自分は29歳になっているのかと思い、遠い将来だと感じつつ、30歳まで生きられないのかと、本気で心配したことを懐...
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老年の青春期

今日は馬鹿に暑い日でしたね。 しかし、ここ数年、明らかに暑さを感じにくくなっているように感じます。 真夏でも、半袖を着ることがなくなりました。 布が足りないような気がして、なんとなく不安なのです。 そういえば、老人は真夏でも暑さをそれほど感じず、ためにエアコンを使わずに熱中症になることがあると聞きました。 私は8月で48歳になります。 昔であれば人間(じんかん)五十年、なんて言って、アラフィフは老人の部類だったのでしょうが、今は50歳なんて普通に考えれば中年ですし、国会議員なんかは若手のような扱いをうけているようですが、自覚的にはずいぶん衰えたような感じがしています。 疲れやすくなったし、書類作成など、手を動かす仕事が面倒で仕方ありません。 体重は新人の頃とほぼ同じで、髪も黒々ふさふさなので、見た目の衰えはシミが増えたくらいですが、最近私を悩ませているのは、緑内障による左目の悪化です。 右目は正常なので、両目で見る分には右目がカバーしてそうでもありませんが、左目だけで物を見ようとすると、視野が極端に狭く、真ん中に黒い線のようなものがあって、難儀します。 右目も悪化したら、車の運転どころ...
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自分だけの真理、あるいは超人

長い一日。 長い一週間。 切ないばかりに短い週末。 これらを積み重ねて、人々は生きています。 生きるということの意味を問う暇もなく。 それは絶望に至る道なのでしょうか。 美的な存在・倫理的な存在・宗教的な存在。 キリスト教を深く信仰した哲学者キルケゴールは、人間の在り様をざっくり上の三つに分類しました。 私は西洋哲学には疎く、正確な理解ではないと思いますが、一時期、西洋哲学の書物を読み漁ったことがあり、その時のおぼろな記憶では、そんなようなことだったと思います。 多くの凡人は、美的な生き方に甘んじているものと思われます。 美的というと何やら高尚な感じがしますが、要は酒を飲んだりパチンコに興じたりする、平凡な生き方と考えれば分かりやすいでしょう。 かくいう私もそうです。 そこから一歩進んで、倫理的な存在があります。おのれの良心に従って、あれかこれかを選択する、意識の高い生き方です。 しかしキルケゴールは、美的な存在も、倫理的な存在も、やがて絶望=死に至る病の淵に立たされるだろうと予言しています。死に至る病 (岩波文庫)斎藤 信治岩波書店 美的存在は虚無や不安などに襲われ、倫理的存在は自己...
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相撲

ようやっと、稀勢の里が横綱に昇進しましたね。 遅咲きと言われますが、三役までは超スピード出世でした。 大関になるときと、今回、横綱に昇進する際に苦労しました。 日本出身横綱の誕生は19年ぶりとかで、ずいぶんモンゴル勢に押されていました。 相撲の起源は古く、日本神話に遡ります。 天照大神が出雲に使者を送り、大国主命に国譲りを迫った際、大国主命は二人の息子が応じるというなら国譲りに同意する、と応えます。 二人の息子のうち、一人はすぐに応じますが、一人が力比べをしようと言って、使者と相撲を取り、使者が勝ったため、大国主命は巨大な宮殿を建設することを条件にして天照大神にこの国を譲ったわけです。 この宮殿こそが、出雲大社とする説があります。 で、その子孫が天皇というわけで、平たく言えば、高天原に住んでいた神々が、この国を分捕ってしまったということです。 しかも、その後、初代天皇である神武天皇は東征の名のもとに侵略を重ね、ついに本州は天照大神の子孫が支配することになったわけです。 「古事記」や「日本書紀」では、東征は露骨な侵略戦争として描かれますが、大国主命の息子と天照大神の使者は、単に相撲をとっ...
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畏怖

キルケゴールは「死に至る病」で、絶望を罪と断じ、絶望こそが死に至る病だとしました。 そして絶望を脱するには、真のキリスト者でなければならない、とも。死に至る病 (岩波文庫)斎藤 信治岩波書店 イスラム教では最後の審判は必ず訪れる、と警告し、アッラーへの信仰によって天国へと至ることを求めました。 浄土教では阿弥陀仏にすがることを薦め、禅宗ではひたすら座って瞑想することを求めています。 神道では清き明き心を良しとしました。 何が本当だか分かりません。 宗教的真実が一つなのだとしたら、一つ以外は嘘つきということになりましょう。 あるいは、仏教における門のように、どの宗教に入信しても頂きは一緒ということも考えられなくはありませんが、ちょっと無理筋のような気がします。 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教はほぼ同じような教義を持っていますが、一方で少しの違いに目くじらを立てて、殺し合いを続けてきました。 それどころか、キリスト教においてはカソリックとプロテスタントで争いをしていた過去があります。 まこと、信仰とは厄介なものです。 わが国では、檀家で氏子でクリスチャン、などと揶揄されるように、ほぼ無宗...
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