
門前の小僧
今日も今日とてつまらぬ仕事におわれ、時がながれてしまいました。 私は働きたくない病とでもいうべき精神状態のまま、毎日働いています。 しかし不思議なもので、面倒な仕事は早く片付けて楽になりたいという思いと、やり直しはしたくないという考えから、早くて精確に仕事をこなし、しかも残業をしないので、あいつは暇だと思われ、ますます仕事が増えるという悪循環に陥っています。 日々思うのは、宝くじが大きく当たって退職し、旨い物を食ったり旅行をしたり芝居を観たりして、遊んで暮らしたいという、煩悩にまみれたことどもです。 大乗仏教では、すべての人に仏性が有り、誰もが悟りを開く可能性を持っていると説きます。 しかし自分の心をのぞいてみても、仏性のぶの字も見当たりません。 およそ成仏など考えられないことです。 同じ仏教でも小乗仏教はすべての人に仏性があるとは説きません。 どこの宗派かは忘れましたが、誰にでも仏性があり、成仏できる可能性があると説くのは、衆生が絶望しないようにするための方便にすぎない、と説いていて、なかなか鋭いと思ったことがあります。 まぁ、冷静に考えて、誰にでも仏性が有るのだと仮定しても、大抵の...