思想・学問

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存在し得ないことの証明

ある物質なりが存在していることを証明するのは比較的容易だと思いますが、あると思われていた物が存在しないことを証明するのは、事実上不可能なのではないかと思います。 例えば霊的存在。 それが電気刺激なりに反応し、その存在を探る方法を発見することができれば存在を証明できるでしょう。 しかし、それが柳なのやら幻覚なのやら、あるいは見間違いなのか、判然としない場合、存在しないと言い切ることは出来ないでしょう。 なんとなれば、世の中には霊的存在を見た、あるいは見ることができる、と主張する人はごまんとおり、彼らが全員嘘つきだとも思えません。 そんな嘘をついたって、何の利益にもならないばかりか、むしろ変な奴だと、不利益を被るでしょう。 で、STAP細胞の再現実験のお話。 先般、中間報告で、論文に書かれた方法では再現できない、と発表されました。 しかし、小保方氏は、コツがあるとかで、STAP細胞が存在することを主張しつづけています。 この騒ぎを見ていて思うのは、霊的存在は無い、という証明が出来ないのと同様、STAP細胞は存在しない、という証明もまた、不可能であろうということ。 出来たとしても、せいぜい小...
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民主的な民主主義封殺

今日は雨が降ったりやんだりのすっきりしない天気で、一日、自宅に閉じこもっていました。 テレビをつけたらフランス製のドキュメンタリーを放送していて、観るとも無く観てしまいました。 ヒトラーが独裁体制を敷くまでの彼の半生と、当時のドイツが置かれた状況を分かりやすく解説したものです。 驚いたのは、第一次大戦から、多くのカラー映像が残されていること。 多分デジタル・リマスターなのでしょう、非常にきれいな映像でした。 概ね知っていることばかりでしたが、映像の綺麗さに驚嘆しました。 当時世界で最も民主的とされ、第一次大戦後にドイツが採用したワイマール憲法。 主に社会民主党が政権を握っていたところ、ヒトラーの天才的な演説やゲッペルスによる巧みな宣伝で一般庶民の心をつかみ、選挙のたびに議席を増やし、ついには第一党となり、さらにヒトラーに全権を与える全権委任法を通過させ、大体において民主的な方法で民主主義を封殺していく手法は、まるでSF小説のようで、スリリングなものです。 また、SSにしてもSAにしても、制服が極めてスタイリッシュで格好良く、鉤十字の旗も洒落ています。 多分私が当時のドイツに生まれていた...
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無い

三連休あけの出勤、だるいですねぇ。 三度の飯を食うためとはいえ、つまらぬことに時間を費やしているものです。 そう思うと、私は大乗仏教の唯識論を思います。阿頼耶識の発見―よくわかる唯識入門 (幻冬舎新書)横山 紘一幻冬舎 大乗仏教では、この世に実態のある物は存在せず、ただ様々な関係性を心が認識しているだけだと説きます。 そういう意味では、西洋の唯心論と似ています。唯心論と唯物論 (岩波文庫)船山 信一岩波書店 しかし唯心論と決定的に異なる点があります。 唯心論では、少なくとも心の存在だけは確かだと認識しますが、唯識では、心もまた幻のような存在であり、最終的には心の存在すら実態の無いものとして否定されるからです。 するとこの世に実態のある物は何一つ存在せず、ただ関係性によって成り立つ縁起とその結果が幻のように漂っているのが、私たちが認識している世界だということになります。 このことを深く理解し、体得するならば、その人は何も存在しない無の一つとなり、アラヤ識と呼ばれる生命の奥底を激流のように流れる意識が変化を起こし、ついには悟りを開く、というわけです。 唯識論は極めて難解かつ長大で、私が書い...
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歴史

わが国を貶めようとして、中だの韓だのが虚実取り交ぜてわが国の歴史を真っ黒に塗りつぶして世界に喧伝し、その浅ましい姿にかえって世界は中だの韓だのをあざ笑い、世界はますますわが国を信頼し、このたびわが国は好感度ランキングで見事世界一に輝きました。 中だの韓だののおかげでしょう。 深く感謝します。 中だの韓だのが地団駄踏む姿が目に浮かぶようです。 よしなしごとはさておき。 はるか古代は知りませんが、少なくとも文献が残っている時代以降、現代にいたるまで、よくもここまでと思うほど、人は殺し合いを続けています。 利益も求めて、あるいは宗教的正義を求めて。 切ないのは、最高権力を握った者も、必ず亡くなり、死後の一族のことを心配していることですね。 秀吉は秀頼の将来を心配し、おのれがしてきたことを思えばほとんど無意味と思えるような誓紙を五大老に書かせたりしています。 何も最高権力者に限らなくても、功なり名を遂げた人も、路上で野垂れ死んだひとも、死の前に平等です。 日本も中国も韓国も、その他の国々も、地球の命が永遠ではない以上、人類滅亡という必ず訪れる死の前に平等です。 歴史を知るということは、人間がい...
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魔女

理研の特別顧問が、小保方氏のSTAP細胞再現実験の際、監視カメラを使うことについて、「世の中にはそこまでやらないと、彼女が魔術を使って不正を持ち込むのではないかという危惧があるのではないか」と語ったそうですね。 私が見るところ、彼女は稀代の詐話師だとは思いますが、魔女だとは思いません。 理研の大幹部としては、不適切な発言のように感じます。 魔女というと、現代ではアニメやドラマなどに登場する、愛嬌のある若い女性というイメージがあります。 ちょっと古いですが、「奥様は魔女」だの、「魔女っ子メグ」だの、「魔女の宅急便」だの。 要するに魔術が使えるというだけで、悪魔を崇拝し、仕える伝統的な魔女とは似て非なるものですね。 魔女の概念は非常に多様ですが、大雑把に言って、悪魔を崇拝し、悪魔と性的関係を結ぶなどして契約を交わし、強い魔力をもって、人や自然に災いを為す存在、といったところでしょうか。 実際は、キリスト教を信じず、古くからのシャーマニズムを信じていた人々が存在し、土俗的な儀式をおこなったりして、それがキリスト教徒には悪魔崇拝に見えたのかもしれませんね。 中世ヨーロッパで行われた魔女狩り・魔...
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