思想・学問

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8月15日の物思い

今日は終戦記念日ですね。 今上陛下は近く退位あそばすので、戦没者慰霊の式典に臨席あそばされるのも今年が最後。 私の職場でも、正午に1分間の黙祷が捧げられました。 実際に戦闘を経験した軍人、兵士は、現在では90歳を超えていると思われます。 あと二十年もしたら、第二次大戦を戦った最後の兵士が亡くなった、なんていうニュースが流れることでしょう。 第一次対戦最後の兵士が亡くなったのは、2011年だったと記憶しています。 110歳くらい。 くらい、というのは、私の記憶が定かではないからです。 こうやって、どんなに凄惨な戦いも、自然災害も、人々の記憶からは消え去り、歴史上の出来事になっていくのですね。 戦争や災害に際して、記憶を風化させない、なんて、センチメンタルに大見得を切る人を時折見かけますが、それは無理筋というものです。 その人本人がいくら生涯かけてその悲惨さの語り部として活躍したとしても、後の世の人々は、毎日の生活に追われ、そんなこともあったのだなぁと、どうでも良いことになるであろうこと必定です。 なぜなら、過去の戦争や災害なんて、専門家の研究者くらいしか興味がないし、事実、「源平合戦(前...
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真ん中

仲良く談笑していたトランプ大統領と北朝鮮の3代目、3代目がなかなか核放棄への具体的な行動に出ないことに苛立って、米国は3代目への制裁を緩めようとしません。 人というもの、誠に争いを好むものと見えます。 特に西洋においては、古典論理学において、排中律という考えがあって、物事がどうも対立的であるように思います。 排中律とは、あるものについて、その肯定と否定とがある場合、一方が真ならば他方は偽、他方が真ならば一方は偽であり、その両方のどちらでもない中間的第三者は認められない、という論理法則です。はじめての論理学用語。正しく理解して、とりあえず格好がつくレベルになれる。10分で読めるシリーズMBビジネス研究班まんがびと 今ではさすがに西洋においてもこのような考え方は廃れてきていると思いますが、やたらと訴訟を起こしたり自分の非を認めなかったりするというのは、上のような考えが未だに染みついているのかもしれませんね。 一方、東洋においては、真ん中が良いとされてきました。 孔子が説いた中庸、お釈迦様が示された中道。 どちらも極端はいけません、真ん中を歩きなさい、ということでしょう。論語 (岩波文庫 青...
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1年は短いか?

最近お気に入りの、「チコちゃんに叱られる」という番組で、大人になるとなぜ1年が短く感じられるのか、ということが話題になっていました。NHK  『チコちゃんに叱られる』  チコちゃん パスケースノーブランド品ノーブランド品 子供の頃は、毎日新たな発見や疑問があり、楽しいことも多く、ときめきながら生きているため、1年が長く感じられるそうです。 年とともにときめきは薄れ、早くも19歳くらいから、時間の流れが速いと感じるようになるそうです。 大人は惰性で毎日の繰り返しを生きている、ということでしょうか? しかし、私は1年があっという間に過ぎる、という、よく聞く言説が理解できません。 1年どころか、一か月だって、地獄のように長く感じる、というのが私の偽らざる実感です。 ときめきなんて言うものがあるわけではありません。 惰性の繰り返しだからこそ、長く感じるのだと思います。 1年前なんてはるか大昔だし、1年後は遠い未来です。 もちろん、過ぎてしまえばあっという間、というのは理解できなくもありませんが、今を生きる私たちは、常に過ぎ行く月日を生きているのであって、過ぎてしまった過去を生きているわけではな...
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あり得ない幸福状態

どこの職場もそうでしょうが、4月は業務量が多いうえ、人の異動などもあり、ひどく忙しいものです。 そのせいか、軽いうつ状態が続いています。 今、服薬している薬は気分安定剤と抗不安薬で、抗うつ薬は飲んでいません。 抗うつ薬も出してもらったほうが良いのか、一過性のものだと思うので我慢したほうが良いか、迷うところです。 精神障害(双極性障害)がひどい時は、これさえ治ればバラ色の人生が待っている、と思っていましたが、ほぼ治癒した今、思うのは、バラ色の人生などあり得るはずもなく、ただ普通に戻るだけなのだな、ということです。 ユングは、心理療法について、心理療法の最高の目的は、患者をあり得ない幸福状態に移そうとすることではなく、彼に苦しみに耐えられる強さと哲学的忍耐を可能にさせることである、と述べています。 むべなるかな。 しかし、苦しみに耐えられる強さ、というのは分かりやすいですが、哲学的忍耐とはいかなるものでしょうね。 ユングの心理学から考えると、おそらくそれは全体性を身に着ける、ということではないかと思います。 全体性とは、人間心理のこの部分が理性で、この部分が欲望で、この部分が宗教性で、とい...
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2045年問題

年度が代わり、毎年度仕様が変わるe-Rad(府省共通研究開発管理システム)というシステムに悩まされています。 コンピュータの進化は便利なものですが、おっさんである私にはストレスでもあります。 去年と同じことをやっていたのではおっつかない、というのは、中高年には辛いことです。 近頃、2045年問題、という言葉を耳にするようになりました。  アルファ碁というAIが自ら学習し、進歩することによって、世界のトップ棋士と戦っても負け知らずの存在となり、アルファ碁と人間の対局は行わないことになった、というニュースは、もはや懐かしい感じさえします。 2045年問題とは、自ら学び、進化し、人間を凌駕する知能を身に着けたAIが登場し、さらに加速度的に自らを進化させ、人間には考えも及ばない、過去のSF作品で語られた出来事など易々と可能にしてしまうような、超人的人工知能が登場し、その後の社会の変化は予測もつかず、それは2045年頃実現する、という仮説です。 ここに至れば、私が苦しんでいるシステムの更新など、考古遺物に等しい存在になるのかもしれません。 その時点を技術的特異点(シンギュラリティ)と呼び、それ以...
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