
合法化と厳罰化
近年、先進諸国では、同性婚、もしくは同性同士での公的なパートナーシップを認める動きが活発になってきました。 多くのヨーロッパ諸国や、米国の一部の州でこれらがすでに認められています。 わが国ではこうした動きは鈍いですが、わが国の場合、同性婚に反対する人が多いと言うよりも、無関心な人が多いせいではないかと思います。 わが国では男色を悪とする見方は伝統的にほとんど存在していませんでしたし、他人の趣味に口出ししない、というのが一般的な態度なのだろうと思います。 明治の近代化以降、欧米の影響もあって同性愛を忌避する風潮が生まれましたが、それはわが国の伝統には反するものです。 仏教においても、同性愛を禁じるような教えはありません。 しかし、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教では、同性愛は神の教えに背くものであるとし、有名なソドムとゴモラの話を持ち出すまでもなく、これら宗教では同性愛は禁忌でした。 これら3宗教では、同性愛は犯罪とされ、時代や場所によっては死刑でした。 長い差別との戦いのなかで、ユダヤ教とキリスト教では、同性愛を禁じる考えは薄れてきましたが、イスラム教国では、今も犯罪とされているのが普...