
玉音・玉体・龍顔
天皇陛下が国民に向かって重大事を直接語り掛けたのは、終戦の玉音放送でした。 このたび今上陛下が、持って回った言い方ながら、退位を望まれていると国民に語り掛けたことは、終戦の玉音放送にも匹敵する大事で、国民は重く受け止める必要がありましょう。 持って回った言い方とはいえ、今上陛下の意思は明確です。 早く退位したい、ということ。 我々サラリーマンで言えば、辞表をたたきつけたようなものです。 陛下は過去、玉体にメスを入れたことがあります。 龍顔はすっかり好々爺のそれです。 御いたわしや。 考えてみればこういうことは十分有り得ることだし、現に過去、退位して上皇や法皇に御就きあそばした例は数多く。 問題となるのは皇室典範の改正でしょう。 厳密に言えば、皇室典範を改正しないかぎり生前に退位することはできません。 大正陛下の御代に、後の昭和陛下、当時の東宮殿下が摂政宮におなりあそばし、多くの国事行為を代行された例がありますから、摂政宮をおくことも考えられますが、今上陛下はこれも明確に否定なさいました。 政府はこれを受け、今上陛下限りに適用される特別立法を考えているようです。 緊急避難的にはそれは現...