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文学

ドナルド・キーン博士、日本帰化

米国の日本文学者、ドナルド・キーン博士が日本に帰化し、永住する、と発表しました。 88歳になって、なぜ?という気もしますが、本人はその気満々で、先般コロンビア大学で最終講義を済ませたとのことです。 能について論じたようです。 博士は、日本の国文学者が狭い専門から出ていかないのに対し、記紀万葉から現代文学まで、幅広く論じることができる碩学です。 日本文学の道を志すきっかけになったのは、古本屋で「源氏物語」の英訳本が、分厚いわりに安かったために購入し、これに感銘を受けてまずは日本語を学ぶところから始めたとか。 戦中は米軍の通訳官として働き、戦後は日本留学をして国文学への造詣を深め、それでも米国人であることを辞めず、コロンビア大学で教鞭をとってきました。 三島由紀夫、安部公房、石川淳らと親交が深く、大江健三郎とは不仲だったと聞きました。 ドナルド・キーン博士がこのタイミングで日本帰化を決意したのは、はっきり言いませんが、震災の影響があるのではないでしょうか。 世界中から放射能に汚染された国と見られている今、あえて高名な自分が日本人になり、情報発信すれば、諸外国の誤解を解き、被災した方々への慰...
精神障害

三度の飯よりミーティング

北海道浦河町にべてるの家という統合失調症患者のグループホームがあるそうです。 ここでは昆布の加工生産などにより自立を図るとともに社会進出を果たすことを目的としています。 ここのルールが面白いのです。 三度の飯よりミーティングを合言葉に、何かというと当事者同士が話し合いをするそうです。 さらに、幻覚を幻覚ちゃんと呼んで擬人化し、自分の幻覚をミーティングで話したりして、客観視しようとします。 また、当事者が自分特有の診断名を付けるというのです。 統合失調症全力疾走型とか、子供返り幻聴症とか、実に様々です。 これもまた、自分の症状を客観視し、症状へのとらわれから逃れようとする術のようです。  面白いことに、べてるの家がNHKなどで取り上げられて有名になると、浦河町はこれを町おこしに利用しようと考えたらしく、幻覚&妄想大会なるイベントを開き、当事者に自分が感じている幻覚や妄想を語らせて盛り上がるという、一歩間違えれば悪趣味とも言うべきやり方でますます有名になっているとか。 精神障害者に対しては、長く差別と隔離ということが政策として行われてきました。 これは洋の東西を問わないものと思います。 そ...
その他

昼ドラの顔、逝く

田中実が自殺した、との一報に触れました。 彼は主婦向けの午後の早い時間のドラマにによく出演していて、病気休暇で休んでいるとき、ぼんやりと眺めていました。 悩みなど何もない、といった顔で明るく前向きな、爽やかな好青年をよく演じていました。 うつ状態の私はそんな彼を見て、非常に白けた気分になったことを思い出します。 そのご本人が、人知れず悩みを深め、自ら縊れ死ぬとは、痛ましいことこの上ありません。 44歳で、三つ年上の奥様がいて、高校生と中学生の子供がいたと聞きました。 ドラマの仕事は半年先までスケジュールは一杯。 外面的なことだけを見れば、人も羨む境遇だとしか思えませんが、その彼がなぜ? いつだったか、精神科医が、武士の切腹や自爆テロを行うテロリストなどを除いて、自殺する人はその前後激しいうつ状態にあり、服薬と休養によって良くなる可能性が高い、と言っていました。 でもまさか自分が精神病に罹患しているなんて思いもせず、絶望的な気持ちをどうにもできず、自殺にいたってしまうのですね。 人ごととは思えません。 うつ状態が激しいと、死ぬ元気さえないのですが、少し動けるようになると、死ぬということが...
映画

オーディション

米国のエンターテインメント・ウィークリー誌が最近20年間に製作されたホラー映画のランキングを発表しましたが、日本映画、「オーディション」が見事1位に輝きました。 ちなみに日本のホラーでは他に「リング」が10位に入っています。 昨夜「オーディション」をDVDで鑑賞しました。 原作は村上龍の同名の小説です。 映像制作会社を経営する青山は7年前に妻を亡くし、高校生の息子と二人暮らし。 そんな彼を心配した親友の映画プロデユーサーが映画製作のオーディションと称して青山の好みの女を探そうとします。 応募書類を見て、青山は麻美というミステリアスで薄幸な女性に目を奪われます。 実際にオーディションで会ってからは、もはや麻美のことしか考えられなくなります。 そして何度もデートを重ね、青山はプロポーズすることを決意するに至ります。  ここまでは中年男と妖気を放つ若い女との純愛物語。  しかし、麻美の素性を探るうち、奇妙なことばかりが起こっていることに気付きます。 アルバイトをしているはずの銀座のクラブは1年以上前にママが殺害されて閉じていたり、麻美が少女時代通っていたクラシックバレエ教室の先生は両足がなか...
社会・政治

ホリエモンと「青の時代」

ホリエモン、最高裁で懲役2年6ヶ月の実刑が確定しましたね。 正直に言うとホリエモンがやったことがなぜそれほど重い罪なのか、金目の話に疎い私にはよくわかりません。 しかし懲役2年6ヶ月の実刑をくらうということは、相当な罪なのでしょうねぇ。 ホリエモン、数日のうちには刑務所に入るんですねぇ。 テレビドラマやノンフィクションで見る刑務所は、きつい所です。 きつくなくては刑務所の意味がありませんから、きついのは当然ですが、東京大学を出てライブドアを企業し、飛ぶ鳥落とす勢いで会社を大きくし、六本木ヒルズに住んで贅沢三昧をしてきた彼には、耐えがたい屈辱でしょう。 三島由紀夫の「青の時代」は、昭和20年代半ばに起きた東京大学大学院生が闇金融のようなことをやってお縄になることが確実と知って自殺する物語でした。 光クラブ事件として有名な事件を元にした小説で、ライブドア事件が騒がれていたとき、よく引き合いに出されていましたね。 「青の時代」は純粋な文学作品で、光クラブ事件の首謀者である青年の内面の葛藤を描こうとしたものですが、どうしても実際の事件が思い起こされ、あまり正当な評価は受けていないように思います...
社会・政治

会議乱立

震災復興のため、また、原発事故対応のため、数々の会議や組織が次から次に立ち上げられたことは、みなさんご存知のとおりです。  ざっと数えてみると、緊急災害対策本部、被害者生活支援特別対策本部、被害者生活支援各府省連絡会議、被災地の復旧検討会議、災害廃棄物処理の法的問題検討会議、原子力災害対策本部、原子力被災者生活支援チーム、福島原発事故対策統合本部、原子力発電による経済被害対応本部、電力需給緊急対策本部、復興構想会議、復興実施本部(仮称)等々が浮かびます。   実際はもっとあります。 これだけの有識者による会議、各省庁の担当が会議のセッティングをして、シナリオを書いて、いくつかのパターンの結果を用意して、何カ月もかけて話し合い、提言をまとめたら政府はそれを実行する気があるんでしょうかねぇ。 これだけたくさんの会議がそれぞれてんでんばらばらに答申をしたら、菅総理、頭ぼっかーんと爆発しちゃうんじゃないでしょうかねぇ。 役人も空しいでしょうねぇ。 政治家が強いリーダーシップを発揮して指示を飛ばしてくれればすぐにでも動き出せるのに。 役に立つんだか立たないんだかよくわからない会議のお世話に明け暮...
文学

一千一秒物語

昨夜は、魔道を歩んだ偉大な先人、稲垣足穂の「一千一秒物語」を読み返しました。 キイ・ワードは、月・流星・シガレット・ヒコーキ。 わが国の近代文学の中で、その硬質さ、ドライさ、奇妙さは際立っています。 何かに悩む主人公は出てこず、恋愛沙汰も起きず、人も死にません。 坂道でポケットから自分を落としてしまう話など、ファンタスティックな掌編の連続です。 読者はタルホ・ラビリントスに迷い込まざるをえません。 私は久しぶりにその迷宮に迷い込み、楽しみました。  彼は生まれるのが早すぎたんじゃないでしょうか。 大正から昭和初期に世に出た彼は、人間を口から肛門にいたる筒とみなして、独自のエロス論を組み立てました。 それが「A感覚とV感覚」です。 そのエロス論もまた、彼にかかると硬くてドライな、輝く石のような光を放つのです。 こういう人はもう出てこないような気がします。 近代から現代まで、日本文学は長いこと貧乏自慢と若さ自慢、それに羞恥心を忘れたかのような露骨な性描写に明け暮れています。 日本文学本来の伝統を取り戻し、洒脱で軽妙な、しかし奥が深い小説がもっと増えてくれると嬉しいと思っています。一千一秒物...
映画

殺人犯

香港のサスペンス「殺人犯」を鑑賞しました。 良くも悪くも香港映画らしさが満開でした。 派手で、演出過剰で、血がドバーッと出て、主人公の感情表現が笑っちゃうほど大げさです。 まずはこの香港映画らしさに違和感を持たずに観られるか、という点で大きく評価は分かれるでしょう。 香港のエリート刑事は美しい奥様と可愛い男の子と豪邸に住む二枚目です。 連続殺人を捜査中、彼は犯人と思しき人物に襲われて気絶。 前後の記憶を失ってしまいます。 先輩の刑事は背中にいくつも電気ドリルで穴を開けられた上にマンションの7階から突き落とされて瀕死の重傷。 植物状態になってしまいます。 警察はやがて、エリート刑事に疑いの目を向けます。 苦しむエリート刑事。 しかし苦しむほど、状況証拠は彼が犯人であることを示すのです。 そして長まわしの謎解明の場面。 そうなの?と驚きますが、あざとささえ感じさせる過剰な演出です。 正直私はあまりの大芝居と過剰過ぎる演出に、呆気にとられたというのが感想です。 まあ、力作なんでしょうけどねぇ。 殺人犯 アーロン・クォック,チャン・チュンニン,チョン・シウファイ,チン・カーロッ,チェン・クアン...
社会・政治

世に争いの種は尽きまじ

石川や 浜の真砂は尽きぬとも 世に盗人の 種は尽きまじ   石川五右衛門  盗人の種は尽きないと五右衛門は詠みましたが、世に争いの種が尽きることもないようです。 世界遺産のヒンズー教寺院遺跡「プレアビヒア」周辺の国境未画定地域をめぐって対立するタイとカンボジアが、ここ数日国境付近で小競り合いを続け、両軍に死傷者が出ているそうです。 カンボジアは悪名高いポル・ポト政権時代を経て、今は王政が復古し、仏教を奉じる立憲君主制国家。 カンボジア憲法には、内政不干渉、紛争の平和的解決、永世中立が明記されています。 タイは王を神聖不可侵とする憲法を持ち、日本の明治憲法との類似がみられますが、仏教を国教とし、国王を仏教の庇護者としています。 同じ上座部(小乗)仏教を奉じる王国で、方や紛争の平和的解決を憲法に明記しながら、結局領土の話になると、銃火を交える仕儀に相なってしまうわけですねぇ。 カンボジア王国に言わせれば、タイが侵略してきたから自衛のために戦ったので、憲法違反ではない、ということになるんでしょう。 領土をめぐって当事国がナーバスになったりヒステリックになったりするのは、わが国の北方領土返還運...
社会・政治

女性的男子

マレーシアで、女性的とレッテルをはられた13歳から17歳の男子57人が、米海軍の新兵訓練を模したブートキャンプに参加させ、男らしい男子への矯正を図ったそうです。 マレーシア政府、おバカさんですねぇ。 女性的な男子とはそもそもなんでしょうか。 性同一性障害で治療の必要がある子、オカマとかニューハーフと呼ばれる子、単になよなよしているだけの子、色々いると思いますが。 この中で矯正可能なのは単になよなよしている子だけでしょう。 マレーシアはイスラム教の国で、イスラム教では同性愛は重罪ですから、事前に犯罪者予備軍を矯正しようというのでしょうけど、これは絶対に不可能です。 かつてはキリスト教も同性愛者を死刑にしたりしていましたが、これが無くなることはありませんでした。 イスラム教国であるサウジアラビアの王子は、先ごろ英国で同性愛の相手だった召使を性的興奮を得るために暴行し、殺してしまいました。 彼には英国で終身刑の判決が下りましたが、自国では同性愛一つで死刑でしょう。 かつて第三帝国下では、同性愛者は精神障害者や知的障害者と一緒にガス室に送られました。 しかし第三帝国突撃隊(SA)隊長のレームは...
社会・政治

ポルノ代金

興味深い調査結果を見つけました。 世界の国々で、どれくらいポルノを見るためにお金を使うか、という調査です。 わが日本国は惜しくも2位。 昔から色の道を思想にまで高め、ポルノともいえる「源氏物語」を擁し、浮世絵春画やオタク文化でもポルノを極めるわが国が1位をとれないとなると、さて1位はどこでしょう。 正解はお隣、韓国です。 韓国では1人当たり年間526.76ドル(約4万3000円)を使うと調査されたそうです。 次いで日本が156.75ドル、フィンランドが114.70ドル、豪州が98.70ドル、ブラジルが53.17ドル、チェコが44.94ドル、米国が44.67ドルなどの順となったとか。 それにしても韓国、ぶっちぎりの1位ですね。 2位の日本に3倍以上の差をつけています。 性犯罪に関しては、わが国では痴漢や盗撮など、マニアックな犯罪が過半数を占めるのに対し、韓国では強姦がほとんどだと聞きました。 即物的というか、そのものずばりがお好みのようです。 きっと韓国には草食系男子なんてごくわずかなんでしょうねぇ。 わが国においては、若い男性ほど精子の量が少なく、精子の運動も活発ではなくなってきている...
映画

ジェニーズ・ボディ

DVDで「ジェニーズ・ボディ」を観ました。 砂漠の地下25メートルに巨大な空洞があるらしいことを突き止めた科学者グループが砂漠に巨大な掘削施設と基地を作り、25名がそこに滞在して作業を進めます。 しかしある時から基地と連絡がとれなくなり、警備会社の社員が一人四駆で基地に向かいます。 そこで見たのは、二つの遺体と、科学者が残したメッセージテープ。 科学者は、空洞にたどり着いたら邪悪な物をよみがえらせてしまった、甘い嘘にだまされるな、といった意味のことを言っています。 そして基地に現れる謎の美女。 男だけのはずなのに、なぜ美女が? 女は男の名前で登録した科学者である、と主張します。 そしてここは危険だから早く逃げよう、と。 しかし無線で警備会社の指示を仰ぐと、生存者が他にもいる可能性があるから残って探せ、とのこと。 やがて警備員を幻覚が襲います。 過去の忌まわしい出来事が繰り返し彼を襲い、苦しめます。 美女はドレスアップしてディナーに誘い、彼を誘惑します。 単なる幻覚なのか、美女は何者なのか、謎は深まります。 そして軍が応援に駆けつけたとき、全ては明らかにされるのです。 期待しないで観たわ...
社会・政治

集団レイプ

パキスタンで6人の男が1人の女を集団レイプした事件で、1人のみ終身刑、残り5人は無罪との判決が出ました。 新聞を読むと、私たち日本人には理解不能な事態が出来していたことがわかります。 その女を集団レイプすることを決めたのは、村議会。 実行犯は議会の命令に従ったとのこと。 レイプ後、女は裸で村を歩かされたそうです。 その理由は、彼女の弟が敵対する部族の女と恋仲になったからだとか。 目には目を、というイスラム教の教えでしょうか。 それにしても村民の利益を守るべき村議会が村民の女を辱めるなんて、ありえない話です。 男女差別とかいう以前の問題です。 文化や歴史が違えば価値観も違い、価値観の多様性を認めようというのは、人類が到達した叡智ですが、価値観の違いで許してはいけない行為もあると思います。 名誉殺人とか、今回のレイプ事件がそれにあたるでしょう。 そういえば数年前、インドでカーストが違う少女を誘惑したとかで、少年が殺害されるという事件が起きました。 そういう世界に住んでいれば当然なのかもしれませんが、何も殺すことはありますまい。 私たちの世界はまだ闇の中に在るようです。 ↓の評価ボタンを押し...
映画

サバイバル・イン・ザ・ルーム

昨夜は「サバイバル・イン・ザ・ルーム」を鑑賞しました。 味も素っ気もないタイトルからは想像できない、濃い内容のショッキング・ホラーでした。 ある女が、車の事故で田舎道で立ち往生してしまいます。 通りかかったトラックに助けられますが、その運転手がとんでもないやつだったのです。 納屋に閉じ込められ、あと30日の命と告げられます。 納屋には女の死体がごろごろしています。 食事に呼ばれていくと、そこには口を縫い付けられ、ジュースを飲む女の姿が。 あんなことをされてはたまらないと、30日目、ついに女は決死の抵抗を試みるのです。 出色なのは、殺人鬼はトラック運転手だけではなかったこと。 監禁された女もまた、邪悪な殺人鬼だったのです。 持ち前の邪悪さで、女はトラック運転手に復讐し、ついでに口を縫い付けられた女にも非道を働きます。 この手の映画で、被害者も邪悪な存在だった、というのは少ないと思います。 観て損はない作品です。         ⇒ 「サバイバル・イン・ザ・ルーム」のホームページです。 ↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
精神障害

診察

今日の夕方、診察がありました。 診察は二週間に一度。 もう一年以上、寛解状態にあるので、診察というより世間話です。 それでも、私の主治医は診察なしで薬だけ処方するとか、3分診療ということはありません。 最低10分は、たとえ世間話であっても、私の表情や口ぶりを観察しているようです。 初診の時は一時間以上時間を割いてくれました。 精神科医としての矜持なのでしょう。 最強の抗うつ薬として知られたリタリンは、どんな患者であっても処方しない、と言っていましたっけ。 リタリンは覚せい剤に近いということで、禁止薬物になってしまいました。 主治医の面目躍如です。 リワークに通っていたころ、リタリンを処方されたことがある、という人がいました。 リタリンを飲んで電車に乗ったときはとてつもなく落ち込んでいたのに、車中で気分が良くなり、目的の駅で降りたらじっとしていられなくてスキップしながら会社に向かった、と言っていました。 それだけに、効果が切れるとまた激しい落ち込みに襲われるそうです。 覚せい剤中毒の患者が禁断症状を起こすと激しく覚せい剤を求めるのと同様、リタリンを常用しているとリタリンが切れると禁断症状...
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