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思想・学問

ワイロ

私の職場にいるオランダ人の日本史研究者が興味深いことを言っていました。  東京の地下鉄でかなりの金額が入った財布を紛失した、もう出てくるわけがないとあきらめていたら、誰かが拾って警察に届けた、名刺を入れていたので警察から連絡があり、無事手元に戻った、日本人の倫理感は素晴らしい、というわけです。 世界中の大都会で、東京でしかこんな奇跡は起こり得ない、とまで。 ところが不思議なことがある、と続けます。 日本人の倫理意識はこんなに高いのに、なぜエリートの高級官僚や政治家が収賄事件をこんなに頻繁におこすのだろうか、と言うのです。 一つ考えられるのは、政治家や高級官僚を目指すようなやつは、高い確率で悪いやつが多い。 または、悪いやつがいる確率は他の社会と同じだが、政治家や高級官僚を何年もやっていると、誘惑が多く、悪いことに手を染めてしまう確率が高い。 どっちかなんじゃないかと思います。 それを防ぐにはどうしたらいいか? 教育するといっても、日本で最高の教育を受けてきたであろうエリートをこれ以上どうやって教育するのかわかりません。 厳罰化したら、犯罪が巧妙になるだけでしょう。 しかし、もっと身もふ...
思想・学問

欧州貴族と武士

昨夜某大学の紀要を読んでいて、面白い記事がありました。 ヨーロッパの貴族の教養と日本の武士道を比較して、ヨーロッパ貴族の教養は債権債務主義で、日本の武士道は債務至上主義だというのです。 債権債務主義というのは、貴族は特権と富を手にするが、代わりに高い倫理観と重い義務を負うということです。 莫大な債権を持っているけど、負っている債務も重い、従って両者は相殺されて、貧乏な庶民と同じになる、ということでしょう。 第一次世界大戦後、英国ではイートン校の庭の勝利、と言われたそうです。 エリート貴族が集まるイートン校出身の将校が一番戦死率が高かった、とのことで、ヨーロッパでは敵の前で伏せる場合、将校は最後に伏せ、立ちあがる場合最初に立ちあがるのが当然と考えられていたということですから、うなづける話です。 武士道では、債権を投げ出して滅私奉公せよ、という債務だけがある、ということです。 この影響は現在の日本にも及んでいて、犯罪であるはずのサービス残業が横行したり、欧米では100%取得が当然の有給休暇が、日本では50%程度しか消化されていないなど、債権よりも債務を優先させる癖がついてしまっているように...
その他

兄弟

先ほどドキュメンタリー番組で、沖縄出身の日系アメリカ人の兄と沖縄にとどまった弟が再開する様子を見ました。 兄は92歳、弟は82歳。 終戦間際、兄はアメリカ兵として故郷沖縄に上陸、当時16歳の弟は鉄血勤皇隊として、郷土防衛にあたっていたそうです。 日系アメリカ兵はもっぱらヨーロッパ戦線に送られた、と聞いていましたので、沖縄に上陸した兵がいたことは意外でした。 しかも兄は故郷名護に住んでいたはずの家族を捜索。 名護市に隣接した山中深くで家族を発見したというのです。 弟は銃弾が貫通、背中から肋骨が飛び出している重傷ながら、敵に投降することを潔しとせず、兄の説得に頑として応じなかったとか。 しかし父親の粘り強い説得に応じ、投降。 兄とはろくに言葉をかわさず、戦後兄はアメリカに帰国して庭師に、弟は大学教授になり、名桜大学を名護に設立、初代学長を勤めたそうです。  死期を悟ったか、兄が65年ぶりに故郷名護の戦没者慰霊式に出席のため来日、弟と再会を果たしたのでした。 その再開は、じつに淡々としたものでした。 握手をして、二言三言言葉を交わしただけ。 再会を喜ぶ風でもなく、かといってかつての敵を責める...
社会・政治

お笑い

お笑いというものは、時としてコントや落語よりも大真面目な所業に宿るものです。 そのことを実感させてくれたのが、偉大なる中華人民帝国主義共和国でしょう。  孔子平和賞のぶちかまし。  どんなギャグよりもインパクトがあります。  しかも受賞者が受賞を辞退というより拒絶したのはもちろん、本人に受賞の通知すらしていなかったという見事な予定調和。 授賞式ではなぜか、受賞者とされた台湾の元副総統の代わりに、何の関係もない少女がトロフィーを受け取ったとか。 どなたの発案かは存じませんが、なかなか遊び心のある通人と見ました。 こんな素敵なお笑いを大真面目にやって、国際社会から爆笑ならぬ失笑を買っても、恬として恥じない芸人魂を世の喜劇人は学ぶべきでしょう。 偉大なる中華人民帝国主義共和国に、座布団100枚。↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
社会・政治

診察

今日は二週間に一度の診察でした。 診察といっても、私は今寛解状態にあるので、とくに相談はありません。 近況報告みたいなものです。 それでも私の主治医は、三分診療のようなことはしません。 私の口調や表情などから、容態を見極めようとしているようです。 精神科でも、ほとんど話しを聞かずににいつもの薬を処方して終わり、という医者が多いなか、良心的な医者だといえます。 初診のときは一時間ちかく時間をさいてくれました。 精神科は腕よりも相性。 前かかっていた医者は無常を漂わせ、患者がほしいという薬をそのまま処方し、書いてほしいといえば患者が望むとおりの診断書を書いてくれました。 私が仕事を辞めたいと言ったら、辞めるしかないと言いました。 うつ状態のときは重大な決断をしてはいけない、というのが素人でも知っている常識なのに。 今の医者に代えて本当に良かったと思います。↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
その他

大規模修繕工事

今日は午前中、マンション管理会社による大規模修繕工事の説明会がありました。 私は今住んでいるマンションを11年前、新築で購入しました。 まだ室内は新しい感じがしていたのですが、管理会社によると、数年以内に外壁や塗装などの修繕を行う必要があるそうです。 月々徴収されている修繕積立金によって工事を行うことになりますが、わずか47戸の小規模マンションでも、大規模修繕工事には5000万円くらいかかるとか。 びっくりしました。 私は今のマンションに一生住むつもりで買いましたので、修繕工事はやむをえないかなと思います。 まだローンも残っているし、できれば月々の修繕積立金を下げてほしいんですけどねぇ。↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
仕事

月給泥棒

日経新聞の調査で、仕事について聞いたところ、「仕事はお金を稼ぐ手段に過ぎない」と答える割合は、一般社員では44.5%、課長職38.5%、部長職33.9%だったそうです。 意外に少ない、というのが私の実感です。 仕事は生活を維持するために仕方なく行うもので、お金を稼ぐ手段にすぎない、と考える人が90%以上いるだろうと思っていましたので。 しかも役職が上がるほど、仕事は金を稼ぐためだけではないと考えるようになるとは、不思議です。 役職が高いほど給料も高いのに。 すると仕事にやりがいやら生きがいを感じている人がヒラ社員でも半分以上いるんですねぇ。 なんだか羨ましいような。 就職して19年、仕事が楽しかったとか、やりがいを感じた、という記憶はほとんどないですねぇ。  年度末決算で、締切の日、どうしても数字が合わず、経理部職員全員で徹夜して電卓たたいたり、システムいじったりして、夜が白々と明けてきたときもうダメだ、と思ったらぴったり合った時は泣けてくるほどうれしかったですね。 それとある部署から異動する時、部長から、「この人がいたから数々のトラブルを乗り越えられた」と言われた時は、お世辞だとわか...
社会・政治

強姦致傷事件 懲役27年

2007年から2009年にかけて兵庫県で起きた10代の少女ばかりを狙った強姦致傷事件で、32歳の男に懲役27年という厳罰が下されました。 被害にあった少女は6人にも及ぶとか。 少女たちの精神的なショックはいかばかりでしょう。 一生涯、男性を恐怖し続けるかもしれません。 日本での性犯罪は痴漢や下着泥棒などが7割をしめ、強姦は3割程度と聞きます。 一方お隣韓国では事情が逆転し、7割が強姦だとか。 抵抗する女性を無理矢理犯すというのはかなり難しいと思います。 公園などでは人目があるし、ホテルなどに連れ込むのも困難でしょう。 しかし、私が想像するに、被害にあった少女たちは、ほとんど抵抗できなかったのではないでしょうか。 まずは恐怖で身がすくむでしょうし、刃物で脅されたということですから、命の危険も感じたでしょう。 そして犯人逮捕後、法廷で事件を再現しなければならない苦痛というのは、思春期の少女にとっては耐えがたい苦痛であったことでしょう。 私は高校生の頃、満員電車で二回、映画館で一回、痴漢にあったことがあります。 多分少年好きの同性愛者と思われます。 しかしその時、私は何が起きているのか分から...
映画

CUBE ZERO

昨夜は「CUBE」の続編というか解説編というか、「CUBE ZERO」を観ました。 「CUBE」はスタイリッシュで美しく残酷な、完成された作品でした。  「CUBE ZERO」では、立方体に入れられる人々を死刑囚とし、死刑執行か立方体に入るかを自らの意思で選んだうえで、記憶を消されて立方体に入る、と説明しています。 本作の主人公は立方体で苦しむ死刑囚ではなく、それをモニターで監視する下っ端役人。 顔さえ見たことのない幹部からの命令で、立方体を動かしたり、殺人トラップを仕掛けたりして、さまざまなデータをとります。 そのデータが何に使われるかは全く分かりませんし、どんな組織がCUBEを運営しているのかもわかりません。 あるとき、下っ端役人の一人が立方体に無実の女がいることに気づき、自ら立方体に入り、彼女を救出しようとします。 そのことを発見したホワイトカラーの中堅幹部が初めてモニタールームに現れ、ゲシュタポを彷彿とさせるいかにもな嫌らしい役人風を吹かせます。 そして、下っ端役人はCUBEの恐ろしさに改めて気付かされるのです。 前作、「CUBE」で観られたスタイリッシュな美しさはありません。...
仕事

午後の睡魔

私はお昼を食べた後、30分程度仮眠をとっています。 そうでないと、午後の早い時間、眠くて仕方ないからです。 今日もいつものように、お昼を食べてから、職場の職員休憩室というところで30ほど横になり、うつらうつらしました。 これで大丈夫、のはずでした。 ところが今日に限って午後自分のパソコンに向かっていると、画面が揺れているような感じがして、気が付くと船をこいでいました。 仕方なく普段あまり飲まないコーヒーを飲んで、少し外のひんやりした空気に触れたら、やっと眠気がなくなりました。 でも多分、船をこいでしまった五分くらいの短い仮眠が一番効いたのではないかなと思います。 以前、お酒を飲んだ翌日、必ず職場で爆睡する上司がいました。 あんまり堂々と寝るので、誰も文句を言えません。 どんなひどい二日酔いでも、とりあえず職場には来るのです。 顔も耳も真っ赤だったり、髪がぼさぼさだったり、アルコールのにおいをぷんぷんさせていたり。 それでも必ず出勤して、必ず勤務時間中に寝るのです。 年休をとればいいのに。 なぜか私の職場では、飲み会の翌日休んだり遅刻したりすることはご法度です。 非常に格好悪いこととされ...
社会・政治

経済発展教の次は?

新聞を開いても、ニュース番組を見ても、良い話がありませんね。 日本は先進国の一つとして世界を相手にトップランナーで在り続けることを諦めたかのようです。 中国の台頭とか韓国の勢いとかアメリカの衰退とか、外的要因もありますが、結局のところ、日本人は国家目標を失ってしまった、ということではないでしょうか。 明治期には富国強兵を合言葉に、軍事大国になって欧米のように植民地を持ち、一等国になろうと努力しました。 富国強兵教という宗教に酔っていたのでしょうか。 それはある程度成功し、成功の帰結として英米と利害が対立した結果、激しい戦となり、日本は一度滅びました。 滅んだ後、世界では植民地が次々と独立。 勝ったはずの米英仏等も植民地を失いました。 アジアの独立という、日本が戦争に勝つために考え出した空手形は、結果的に空手形ではなく、履行されてしまいました。 皮肉なものです。 植民地を持たずに繁栄するため、今度は復興を合言葉に、経済成長に猛進しました。 そしてそれは大成功をおさめ、ついにはバブルという狂乱の時代を迎え、日本は世界中の土地や美術品などを買いあさりました。 経済発展教とでもいうべき宗教に酔...
社会・政治

グーグルOS

グーグルのOS、クロームを搭載したパソコンが来年半ばから発売されるそうですね。 携帯端末のOS、アンドロイドはアップルを猛追していますが、パソコンの世界でウィンドウズにどこまで迫れるでしょう。 一時期世界を制するとまで言われたリナックスは失速。 相も変わらず世界のパソコンのOSはウィンドウズが寡占状態ですね。 私の家にはデスクトップとノートの2台のパソコンがあり、職場で支給されているパソコンを含めて3台ありますが、2台がウィンドウズ7、1台がウィンドウズXPです。 マイクロソフトへのささやかな抵抗として、オフィスをマイクロソフトからキングソフトに変えましたが、これとてOSは共有しているわけですから、大した抵抗ではありません。 巨大なマイクロソフトが市場を独占したことで、ソフトはほとんどウィンドウズ仕様になりました。 アップル・ユーザー以外はほとんど誰もがウィンドウズなので、端末によって操作が異なる、というストレスはありません。 これは唯一良かったこと。 しかしそれは同時に比較検討ができない、選択肢がないということでもあります。 アメリカに潰されたという噂があった日本製のトロンにも復活し...
思想・学問

physical, mental, spiritual (肉体的、精神的、霊的)

世界保健機関(WHO)の健康の定義をたまたまみつけて、興味深く感じました。 Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity. 英語は苦手ですが、私なりに解釈すると、健康は、単に疾病または虚弱ではないということではなく、肉体的、精神的、霊的に完全で、且つ社会的に活発な状態です、といった意味になろうかと思います。 私が面白いと思ったのは、physical, mental, spiritual (肉体的、精神的、霊的)の部分です。 普通に考えると、肉体と精神が完全であれば健康なんじゃないの、と疑問に感じますが、WHOはあえて霊的、の一語を加えています。 恐らく、キリスト教徒が作った定義であろうと推測します。 すると霊的ということは、キリスト教を信仰し宗教的に充足している、という意味だと推測されます。 もちろん、WHOはキリスト教の組織ではありませんから、これを敷衍し...
映画

CUBE

昨夜、DVDで「CUBE」を観ました。 立方体の各面にドアが一つ。 その立方体に六人の男女が同じ作業着のような服を着て、目覚めます。 なぜそこにいるのか、誰が連れてきたのか、連れてきた者の意図は何なのか、立方体はどういう構造になっているのか、謎だらけです。 6つあるドアを開け、中をのぞきこんでみると、同じように各面にドアがある立方体です。 ただし、ドアには9ケタの数字が刻まれています。 ドアを開け、他の立方体に入ってみる男女。 しかし立方体には、安全な立方体と、罠を仕掛けられた立方体があることに気付きます。 罠は、誰かが入ってくると硫酸が吹き出てくるものだったり、音がすると無数の槍が突き出てくるものだったり。 いずれにしろ、命を奪われる危険性が高い罠です。 9ケタの数字に数学科専攻の女子大生が挑みます。 素数なのか、因数分解による解に秘密があるのか、暗号か。 安全な立方体を選んで進むうち、六人は疑心暗鬼に陥ります。 この中にこの企みの首謀者あるいはスパイがいるのではないか、永遠にこのキューブ(立方体)地獄から抜け出せないのではないか。 六人はあるいは主導権を握ろうとし、あるいは自暴自棄...
文学

冬ごもり

デートがある日に急ぎの仕事が入った場合、仕事とデートのどちらを優先しますか、という質問に、なんと7割以上が仕事と答えたそうです。 この不景気のご時世、恋愛沙汰に浮かれていては職を失う、という危機感が強いのでしょうか。 その昔、バブルの頃にクリスマスイブに豪華なデートを楽しむのが当然という悪しき風潮がはびこり、なかにはデートのハシゴをする猛者まで現れました。 学生だった私は異教の祭りに参加する気はなく、部外者として世の浮かれぶりを傍観していました。 当時は恋人がいるかいないかがその人の人間的価値を決める尺度であるかのようなことを言うやつがいて、嗤わせてもらったものです。 師走に入って、町はクリスマスムードが盛り上がってきました。 プレゼントを楽しみにしている子どもたちには待ち遠しい日でしょう。 肩の力が抜けた中年になった私は、異教の祭りだと目くじらを立てず、華やかなイルミネーションを楽しんだり、シャンパンを飲んだりします。 それにしても師走に入ってから暖かい日が多いですね。  冬は寒いほど詩情豊かになるというもの。 暖かい冬というのは間が抜けていますね。 葱買うて 枯木の中を 帰りけり ...
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