思想・学問 魂
死んだらどこへ行くんだろうという素朴な疑問は、誰しも幼い頃持っていたのではないでしょうか。 それが成長するにつれ、正解がない問いだと知り、問うことそのものを止めてしまいます。 分からないことは考えないのが手っ取り早い逃げ道ですから。 縄文前期、広場があってその周りに竪穴式住居が建てられていたようですが、広場には、墓地がありました。 死してなお、死者たちは生者たちと同じ空間にとどまり、一緒に時を過ごしていたのですね。 縄文後期になると、お墓は集落の外に作られるようになり、死者と生者は別の場所で、それぞれ過ごすことになりました。 しかし日本人は、魂の不滅を信じていたようです。 翼なす あり通ひつつ 見らめども 人こそ知らね 松は知るらむ 「万葉集」にみられる山上憶良の歌です。 有馬皇子の魂は鳥となって羽ばたいていることを人は知らないが、結びの松は知っているだろう、というような意かと思います。 旗の 小幡の上を 通ふとは 目には見れども 直にあはぬかも 「万葉集」の倭姫王が夫であった天智天皇をしのんで詠んだ歌です。 天智天皇が小幡の上を行き交う姿を詠んだ哀切なものです。 この時代...