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思想・学問

今日は9月7日。 7という数字は、洋の東西を問わず、特別な数とされてきました。ラッキー7などと言いますね。 まず西洋。ピュタゴラス学派は、人間は七つの天界の惑星に支配されていると説き、一週間を7日と定めました。キリスト教では、7つの大罪が定められています。これを元にした頭脳明晰な連続殺人犯の狂気を描いた名作「セブン」が製作されました。 次いで東洋。北斗七星が人間の運命を司るとされました。また、諸葛公明は病気平癒に祈祷のために、7×7=49人を選び、7日間、お祈りさせたと聞いています。 そして本朝。歌舞伎の変身は七変化。カラスの子は7つ。7歳までは神のうち。陰陽師安部清明を祀る清明神社には、大きな北斗七星の紋が飾られています。楠正成は七度生まれ変わって朝敵を滅ぼさんと、天に誓いました。お葬式も、初七日、そして四十九日と、7にまつわる法要を営みます。七福神に春の七草。 ざっと思いついただけでも、7が特別な数字であろうことが予想されます。 7は素数ですが、キリスト教社会はかつて神が作った完璧であるべき世界に素数が存在することはおかしいと考え、素数の存在を一部の学者や宗教家を除き、庶民に隠蔽し...
美術

退廃

土曜日に芸大美術館に行き、シャガールの絵に感銘を受けたことは、すでにブログに書きました。 今では何の違和感もない写実から遠く離れたシャガール等の絵画ですが、一時期、ドイツで退廃芸術として迫害されていたことがあります。 ナチは優れた北方民族の芸術は、健康的で分かりやすくあらねばならないと考え、抽象的な芸術を病的退廃として退けたのです。  皮肉なのは退廃芸術論を最初に唱えたのが、ユダヤ人の医者だったことです。 ブダペスト生まれの内科医、マックス・ノルダウは、近代芸術が規格を外れていったのは、急速な近代化による環境の変化のため、多くの芸術家が脳、もしくは眼、あるいは精神の病気に罹ったためだと説きました。そのために精神病患者に絵を描かせ、近代絵画との類似を指摘する念の入れようです。 この説は19世紀末、日本を含む多くの国々でかなり受け入れられたようです。 印象派からダダイズム、シュールレアリスムに至る一連の近代芸術が、多くの伝統的芸術愛好家から蛇蝎のように嫌われていたのでしょうね。  ナチはこの説を援用し、いわゆる近代芸術家は、スラブ人やモンゴロイド等の劣等人種か、そうでなければ精神病だと断じ...
文学

ピーター・パン

子どもは残酷だ、とはよく言われることですね。 新学期を迎えて、小学生の集団登校を見かけますが、一人で三つもランドセルを持っている子がいます。 いじめなのか、あるいは何らかのゲームで負けた罰なのか不明ですが、見ていて気持ちの良いものではありません。 小学生時代、大抵の子は意味もなく虫を殺した経験があるのではないでしょうか。私も蟻を踏みつぶしたりしました。 また、子どもが好むヒーロー物や戦隊物などは、明らかに善とされる側のほうが残虐です。 例えば仮面ライダーでは、ショッカ―と呼ばれる兵隊が大勢出てきますが、仮面ライダーはためらうことなくこれを倒していきます。 ウルトラマンもマジンガーZも敵を殺害することを躊躇しません。 宇宙戦艦ヤマトやガンダムは、まるっきり現実の戦争の焼き直しであり、互いに大量虐殺しあう映像を観て視聴者は喜んでいるわけです。 ヤマトが敵に特攻を行う場面などは、片道分だけの燃料を積んで自殺行為のような沖縄への援軍派遣を試みた戦艦大和とだぶって、まともに観ていられません。 「戦艦大和ノ最期」は壮麗な文語調でこの悲劇を語って見事です。 極めつけが、ピーター・パンでしょうね。 デ...
美術

シャガール

昨日は東京芸術大学美術館に足を運びました。 「シャガール ロシア・アヴァンギャルドとの出会い」展です。 シャガールは色彩の魔術師と呼ばれる天才画家ですが、その色彩感覚の鋭敏さは、驚嘆すべきものです。他のロシア・アヴァンギャルドの画家の作品も数多く展示されていましたが、遠目から見ても、シャガールの作品はそこだけスポットライトが当たったかのように、輝いて見えます。 この時期の絵は、ピカソにしてもダリにしても、どこか不思議な構図を持っています。シャガールもご多分にもれません。 しかしなぜか、シャガールの作品は明るく、楽天的な印象を与えます。 こればっかりは持って生まれた資質としか言いようがないものです。 このところ日本美術の展覧会にばかり足を運んでいましたので、久しぶりに見る現代西洋アートは、私に鮮烈な印象を与えました。 じつをいうと、30歳を過ぎるまで、私は日本美術よりも現代西洋アートを好んでいたのです。シャガール (ニュー・ベーシック・アート・シリーズ) (ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)インゴ・F・ヴァルター/ライナー・メッツガータッシェンシャガール―色彩の詩人 (「知の再発見」...
映画

パーフェクト・ゲッタウェイ

昨夜、DVDで「パーフェクト・ゲッタウェイ」を鑑賞しました。 ハワイの離島に新婚旅行で訪れたカップル。他にも2組のカップルが旅行に来ていました。そのうちの1カップルと行動をともにする新婚カップル。しかし、オアフ島で殺人事件が起き、しかも犯人はカップルで、その離島に逃げたらしい、というニュースを携帯で知ります。 仲良く旅行を楽しんでいた二組のカップルに不穏な空気が流れます。 衝撃のラストと宣伝に謳っていましたが、それほどではありませんでした。 美しいハワイの自然が、やがて禍々しく歪んでいく様が、恐怖を駆りたてましたね。 サスペンション・スリラーとしてはまずまずです。  犯人が、様々な人を殺してはその人になりすまし、多くの偽の人生を生きてきた、というオチを見て、私は犯人にシンパシーを感じました。パーフェクト・ゲッタウェイ ミラ・ジョヴォヴィッチ,ティモシー・オリファント,キエレ・サンチェス,スティーヴ・ザーン,マーリー・シェルトン東宝↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
お笑い

オフロスキー、みいつけた

NHKの幼児番組に、「みいつけた」というのがあります。  我が家に幼児はいませんが、「おじゃる丸」と「みいつけた」は欠かさず見ています。  おじゃる丸は可愛いのにわがままな悪魔。  「みいつけた」に登場するオフロスキーは奇妙なテンションでおバカを繰り広げるイカシタやつ。 湯を張っていない浴槽の中から、牛のかぶり物をしたおっさんが、 「呼んだ?」 「呼んだよね」 と叫んで浴槽から出ると、唐突に「海ごっこしよう」とか言って波乗りの真似をします。 「わあ、溺れるう」と言って溺れていると、「クェックェッ」と鳴いて、なんじゃ?と思っていると、「ぼく、イルカ」と叫んで溺れるオフロスキーを救助。 これ、一人芝居でやるわけです。 この間わずか三分ほど。 呆気にとられていると、椅子とサボテンと女児が間の抜けた掛け合いを続けるコーナーに移ります。 なんの脈絡もありません。 昔、「ウゴウゴルーガ」というシュールな子ども番組が大人に受けましたが、今度は「みいつけた」かもしれませんNHKDVD みいつけた!オイース!大塚いちおコロムビアミュージックエンタテインメントおじゃる丸 マロのゆかいな世界 西村ちなみ,渕...
文学

坂口にせよ、太宰(治)にせよ、田中(英光)にせよ、揃いも揃った愚弟ばかりだね。彼等の兄貴を見て御覧、みんな堂々たる賢兄ばかりだよ。 上記は、亀井勝一郎が坂口安吾の死の直後に発した言葉です。 愚かな弟だから文学に魅かれるのか、文学に興味を持つようなやつは大抵愚かな弟なのかわかりませんが、そういう傾向はあるのかもしれませんね。 私にも賢い兄がいます。 坂口安吾は自伝的小説「石の思い」で、両親を批判して、時にその筆は激烈ですが、兄弟に対してはとくにコメントしていません。 存在そのものが持つ孤独性を評して、石が考える、と表現しています。 私は幼少の頃から、石に多大な関心を寄せてきました。 幼い私は、石は生きていると考えていました。動物が起きている生、植物が眠っている生、鉱物は脳死のような生であろうと、予感していました。 齢41を迎えた今も、この予感は変わりません。 そして孤独の絶対性と言う意味で、鉱物に敵うものはありません。 石は幼い私の退行欲求を刺激し、今も刺激するのです。 石は私にとってヒーローのような存在です。 石はただそこに在るだけで、孤独の苦痛と、退行の快楽を体現してくれるのです。 ...
映画

第9地区

DVDで「第9地区」を観ました。 南アフリカのヨハネスブルク上空に、巨大な宇宙船が停止します。 中から百万人を超すエイリアンが救出され、第9地区と呼ばれる収容施設に隔離されます。 それから20年、宇宙船は動くことなく、第9地区は黒人のマフィアが支配するスラムとなってしまい、政府はもっと離れたところに広大な収容施設を作り、エイリアンを移住させる計画をたてます。移住計画の責任者が、ふとしたことからエイリアン化していくウィルスに感染してしまい、責任者は人体実験のモルモットにされそうになり、逃走します。 責任者と、人間との戦い、責任者とあるエイリアンとの友情、様々な要素が絡みああいながら、エイリアン・マフィア・政府とが第9地区で壮絶な戦いをくりひろげます。 よくできたSFアクションで、テンポも速く、単純なストーリー展開も気楽で、大型娯楽作といえます。 でも、明日になったら内容を忘れちゃいそうです。多分かつて南アフリカで行われていたアパルトヘイトによる人種隔離政策への風刺という面もあるのだと思いますが、それはそれとして、単純に楽しめるアクション映画です。第9地区 Blu-ray&DVDセット(初...
映画

腐女子

今朝起きたら関節と背中が痛み、仕事に行くのはやめといたほうが良いと思い、ぽか休です。  そこで、DVDを観ました。「腐女子」です。 腐女子といっても、BLに萌える気味の悪い女たちのことではありません。 事故で亡くなった娘を、両親が占い師に依頼して悪魔の儀式を行い、復活させます。 両親は大喜びしますが、それもつかの間、娘の肉体は少しづつ腐敗していきます。 腐敗を止める方法は、活きの良い生肉を食わせることでした。 半狂乱の母親の演技は迫力があります。 ただ、全体を通して言えることですが、演技がわざとらしく、安い。 作り物くささを狙ってそうしたのだとしても、映画全体が下品に堕しています。 そこをうまく撮って欲しかったです。腐女子 【完全版】 品川美月,横山龍之介,高寺裕司,みぶ真也,山田誠二WHDジャパン↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
仕事

9月

夜長月を迎えました。 残暑はますます厳しいですが、仕事帰りなど、日が短くなったことを実感します。 仕事がつまらん、と愚痴をこぼしながらも、大過なく復帰から4カ月が過ぎました。 まずはめでたい。 仕事がつまらんというのは、気楽でもあり、生きていくのに気楽に稼げるほどありがたいことはありますまい。 月給を貰えることを良しとして、気楽でつまらん仕事に耐えましょう。 お金は辛いことをしたり、無理をしたりしなければもらえないものです。 それを、つまらんぐらいなんでもありません。 いや、たいへんありがたいことです。 できれば定年まで、つまらんくらいの仕事を続けたいものです。 ↓の評価ボタンを押してランキングをチェック!
文学

留学と疎開

わたしはいくさのあいだ、国外脱出がむつかしいので、しばらく国産品でまかなって、江戸に留学することにした。 上記は、戦後、石川淳が戦中の過ごし方を語ったものです。 優雅な話ですね。 軍靴が響き、焼夷弾が降る帝都で、江戸に留学していたとは。 そこで石川淳は、江戸狂歌のなかに、生活と文学とを一本に通して俗中に於けるこの虚構の世界よりほかに幸福をまかなふ道は無いといふ存外強烈なる人生観、を見出します。 一方同様に戦争中江戸文学に耽溺していた永井荷風は、怠惰な眠りを許してくれる退行的な揺りかご、として、言わば江戸に疎開していたように見えます。 ここに、永井荷風死後、死者を悼むものとは思えない、激烈に荷風山人を批判する「敗荷落日」が石川淳によって書かれなければならなかった、両者のスタンスの違いが見られます。 私は石川淳を深く尊敬し、永井荷風を敬愛するものですが、石川淳はあまりに厳しいように思います。 芸術家とはこうあらねばならない、という理想が強すぎて、くたびれちゃいます。 作品は奇想天外で面白いのに、その余で余計な理屈をこねて、読者を白けさせますね。 世界像との関係に於いて、地上に於ける人間の運...
文学

プロレタリア

少し前ですが、不景気の影響か、「蟹工船」が若者に人気を博しましたね。 恥ずかしながら、私もいい年をして初めてプロレタリア文学に接しました。 感想は、ああそう、というところでしょうか。 宗教であれ政治思想であれ、私は主持ちの文学を好みません。 そのせいか、国文学では中世説話を最も苦手とします。 しかし最近、プロレタリアを標榜する短歌や俳句、川柳に接する機会があり、新たな発見をしました。 けっこう面白いのです。 宮城の つい目のさきの 闇市の 人間像を凝然とみる 市の悪 むしろ絢爛たるいのち 太陽ここに明日も照るべし いずれも坪野哲久の作です。 闇市のなかにもたくましく生きる庶民が描かれています。 この歌人は、戦前治安維持法違反で検挙されているそうです。 射抜かれて 笑って死ぬるまで 馴らし  堤 水叫坊 手と足を もいだ丸太に してかえし   鶴 彬 川柳もけっこう頑張っています。 川柳はプロレタリアというよりブラックユーモアですね。手足を失った体を丸太に譬えるなんて。きついですねぇ。    プロレタリア文学者というのは一般に辛い現実を描きだすのが上手です。 しかし不思議なことに、明治4...
思想・学問

引きこもり

政府が新卒採用について、卒業後3年まで新卒扱いにしろ、と各業界に圧力をかけましたね。 新卒の幅を広げただけで、新卒ばかり採用する慣行には手をつけませんでした。 最近の調査で、引きこもりの平均年齢が30歳を超えたことが判明しました。 理由は二つ。 一つは十代から引きこもってたやつが十年以上引きこもっていること。 二つは就職したものの、仕事になじめなかったり、途中で病気になったりするやつが増えたこと。 他人事ではありません。 私も就職して15年目に精神疾患を発症し、長いこと仕事を休みました。 幸い職場復帰できましたが、中年引きこもりになっていたかもしれません。 老親の年金を頼りに引きこもっていた40代半ばの引きこもり男性が、親の死をきっかけに収入が途絶え、ホームレスになってしまった、という話を聞きました。生活保護を申請すればよさそうなものですが、役所で色々聞かれるのがいやで、役所に行っていないそうです。 豊川市では、引きこもり歴15年の30歳の男が、4月、父親にインターネットの接続を解約されたことを恨んで両親、弟、義理の妹、姪を次々に刺して家に火を放つ、という凶行に及びました。父親と姪が亡...
社会・政治

飛び回る鳩

民主党代表選挙の行方、鳩山前総理が調整に乗り出して、混乱してきましたね。 普天間でも子ども手当でも、前総理が何か発言するたびに混乱が生じるという、奇特なキャラクターです。 政治家なんかにしておくのはもったいないですね。 夫人と一緒に夫婦漫才でもやれば、よほど国民のためになるというものです。 このたびの調整、小沢議員を要職につければ収まるかのような報道がなされていますが、気は確かか、と問いたくなります。 つい三か月ほど前、政治資金規正法違反を疑われて幹事長を辞職したばかりです。 その問題が片付かないうちに、代表選挙に立候補するだの、要職につけて出馬を辞退させるだの、小沢議員という人はポストがもらえればどうにでもなるんでしょうか。 そんなことはありません。 小沢議員は師匠の田中角栄元総理や金丸信元副総裁と同様、犯罪すれすれの行為を犯してまで国のために働く立派な政治家です。しかも二人の師匠とは違い、疑惑が持ち上がってもバッシングを受けても梃子でも議員辞職しない強い信念をお持ちです。 国民の前で堂々と出馬宣言した大物政治家が、ポストをちらつかせたからと言って、やっぱりやめますなんて、どの面下げ...
思想・学問

奇妙

私はこの頃、世の中のなにもかもが奇妙なものに思えてしかたありません。 物語というのは、化け物が出てきたり、むやみに人が死んだり、現実にはあり得ないような熱い恋愛がくり広げられたりします。 物語の親ともいうべき神話は、奇妙な話のオンパレードです。 美術も、ガラクタとしか思えないようなものを並べたり、ディスプレイを並べて点滅させたり、奇妙です。 科学というのも、宇宙空間を光の速さで移動すると時間の流れが遅くなり、地球に帰還すると浦島太郎状態になるとか、異次元の存在とか、奇妙な説を展開しています。 サラリーマンが行っている仕事も、たいして良くないものをさも素晴らしいもののように宣伝して売りつけたり、儲かってもいないのに書類上のカラクリで儲かっているようにみせかけたり、死ぬほどどうでもいいことをがん首そろえて話し合い、半日つぶして結局継続審議になったり、上司の下手くそなゴルフをナイスショット、とか言って手を叩いて喜んで見せたり、なんだか奇妙です。 文学者にいたっては、古典の写本で新しい発見があり、どこが違うかと言ってたった1行、けりがなくて体言止めだ、とか言って大騒ぎしたり、考古学者は自分で遺...
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