文学 不感
近頃偽装結婚というと、外国人が日本国籍をとるために行うものというイメージが強くなりましたね。 しかし以前は、同性愛者であることを隠すために男性同性愛者と女性同性愛者が行うという印象が強かったように思います。 江国香織の小説に、「きらきらひかる」という作品があります。 アルコール依存症の女と同性愛者の男がお見合いをし、なぜか意気投合して互いの秘密を知った上で奇妙な夫婦生活を始めるというものです。 これに夫の恋人である男が加わり、三人の生活はますます奇妙の度合いを深めていくのですが、作者独特の感性が、この難しい題材を瑞々しく描いて秀逸です。 後に映画化もされ、夫を豊川悦司が、妻を薬師丸ひろ子が、夫の恋人を筒井道隆が演じて、どこか乾いた印象を与えました。 同性愛者同士の男女が結婚する場合、互いにメリットがあると思いますが、この小説では女はアルコール依存症というだけで異性愛者であり、同性愛の男と結婚することは、ほとんど無意味なことであるように思えます。 しかし、子どもが欲しくないとか、そもそも性交渉に拒否感があると言う場合には、その限りではないでしょう。 三島由紀夫に「沈める滝」という小説が...