スポンサーリンク
文学

夕顔

昨日このブログに書いた「ホスピス」では、男が自分をいじめたグループ、中でも岡惚れしていた女を、生霊となって祟りをなすさまが描かれていました。 恋情が叶わないとき、可愛さあまって憎さ百倍とばかり、相手を恨むのは洋の東西、時代を問わず行われ、今現在も各地で行われていることでしょう。 六条御息所は生あるうちは生霊となって、死して後は死霊となって、光る君をめぐる女たちに害をなしますが、最初に害を与えた女は夕顔でした。 他の巻と違って夕顔に祟る霊が六条御息所だとははっきり書かれていないため、逢瀬を楽しんだ荒れた屋敷の地霊だとか、諸説ありますが、私は素直に、六条御息所の生霊デビューの巻と読みたいと思います。 夕顔の巻は、「源氏物語」全体を俯瞰すると、別編というか、大きなストーリーとはあまり関係のない、光る君の若き日のエピソードという趣に感じられます。 そして意外なほど、この巻は人気があるのですよねぇ。  まず、夕顔が可憐で頼りない、いかにもなお姫様風に描かれているのに、どこの何者だかはっきりせず、光る君も自分の氏素性を隠して密会を重ねるという、ミステリアスな雰囲気。 そして初めて二人きりで外出し、...
社会・政治

中国版新幹線

中国の高速鉄道で大事故が起きてしまいました。 なんでも落雷により前に電車がいる場合に自動で作動するはずの制御装置が壊れたことが原因だとか。 死者も多数にのぼるようです。 怖ろしいですねぇ。 世界最先端を高らかに謳う大中国の新幹線が、小さなトラブルをしょっちゅう起こし、ついには死亡事故まで。 他人事ながら、今後中国政府は高速鉄道を広げる計画や、諸外国に売り込む計画をどうするんでしょうね。 まさか今までどおりすすめるというわけにはいきますまい。 そんなことしたら、諸外国が中国から買わないのは当然だし、中国人の客も激減するんじゃないでしょうか。 日本では「2位じゃ駄目なんでしょうか」と志の低いことを言う議員が与党にいて、中国共産党には安全面に目をつぶってでも世界一速いことにこだわった人々がいます。 どちらも極端ですが、事故が起こる可能性を極限まで低下せしめなければ、人は電車に乗りません。 大体命がけで乗るようなものではありませんし。 中国政府には、これに懲りて、中国流のやり方を世界標準に改めてほしいものです。 コピー商品やバッタ品でかせいだり、毒入りの食品を売ったり、アップルをまるでぱくった...
映画

ホスピス

今日は家でのんびり恒例のホラーDVD鑑賞です。 英国の医学生たちが大活躍する「ホスピス」です。 医学生8人組が飲み屋で騒いでいると、そのうちの一人に岡惚れした青年がストーカーまがいの行為にでて、医学生たちが青年をなじると、医学生たちがドラッグをやっている所を携帯で録画していたと脅し、医学生たちは青年に大量の酒とドラッグを飲ませて携帯を奪おうとします。 しかしあんまり飲みすぎて青年は昏睡状態に陥りますが、彼は承認されていない特効薬を投与されたことで幽体離脱を引き起こすとされる脳の部位が活性化、生霊となって復讐する、という単純なお話です。 この手の映画ではヒロインは助かったりするのですが、もっともひどい目に会っているところが英国らしいといえば英国らしいかもしれません。 ストーリーはどうということもありませんが、六条御息所の例を挙げるまでもなく、生霊というのは生きているだけにパワーが強烈で、死霊よりもはるかに質が悪いということを痛感させられます。 そこそこ楽しめる、まあまあの出来でしょうか。  人から恨まれるようなことをしてはいけないよ、というお話でした。ホスピス スペンサー・ライトアルバト...
社会・政治

原理主義

ノルウェーで政府庁舎を狙った爆弾テロが起きた数時間後、オスロ近郊の市まで銃乱射事件が起こったそうですね。 死者は両事件で92名にも及ぶとか。 テロや紛争とは無縁なイメージが強い北欧の国でこのような凶悪な事件が起きるとは意外です。 犯人は同一人物とみられ、キリスト教原理主義者で右翼的思想の持ち主とみられているらしいですね。 最近テロというとイスラム過激派の専売特許のようなイメージがありましたが、キリスト教原理主義も怖ろしい存在であることを知らしめました。 思えばオウム真理教も事件を起こす前は原始仏教に近いとされ、多くの宗教学者や人類学者から賞賛されていました。 今となっては地下鉄サリン事件をはじめとするオウム真理教が起こしたテロ事件の思想的背景を仏教に求めようとする者はいませんが、少なくとも彼らはかつて、仏教系の新興宗教を名乗っていたことを忘れてはいけません。 仏教系を名乗る殺人集団が生まれたことを、仏教関係者は深刻に受け止めるべきでしょう。 あんなものは仏教ではない、と言うのはたやすいですが、イスラム穏健派の人々もイスラム過激派をあんなものはイスラム教ではない、と言って一顧だにしないわ...
社会・政治

道化

首相の四面楚歌は、哀れをこえて滑稽の域である。 嫌われ者から、怖いものなしの道化へと。 ただ、作家の池澤夏樹氏が 「ぎりぎりまで居座り、改革を一歩進めてほしい」 と書くように、「脱」 路線そのものは共感を呼んでいる。 そう、道化にしか吐けない正論もある。 上は7月16日の朝日新聞、天声人語の末尾です。 菅総理にはマスコミも役人も同じ民主党内にさえ、有力な支持者はいないのかと思っていましたが、意外や意外、日本をリードするオピニオン紙、朝日新聞が支持していたのですねぇ。  でも可笑しいですね。 道化にしか吐けない正論があることはそのとおりだと思いますが、道化では政治家、まして首相は務まらないと思いますがねぇ。 道化が吐く正論とはいわば風刺みたいなもので、芸人や小説家など、何の権限もない人が吐くから寸鉄人を刺す迫力を帯びるのであって、最高権力者がそれを吐いたら恐怖政治につながってしまいます。 首相は決して道化であってはならず、道化に堕すと思ったら潔く辞めることです。  そもそも、池澤夏樹氏が書く改革とは、そもそも何でしょうか。 菅総理が国民に謝罪するとまで言った破綻が明らかなマニフェスト、す...
スポンサーリンク