2016-10-07

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文学

御大、小池真理子先生の平成8年の直木賞受賞作、「恋」を一気に読破しました。 今まであまりにストレートなタイトルに怖れをなして手に取らなかったのが悔やまれる、名作でした。 直木賞のレベルを凌駕している作品です。恋 (新潮文庫)小池 真理子新潮社 時代は1970年代初頭。 学生運動が吹き荒れる政治の季節。 布美子は女子大生で、活動家の男と同棲し、学生運動にも多少の興味を持っています。 しかし、他大学の英文科助教授、信太郎とその妻、雛子に出会い、生活は一変します。 お金持ちで、奔放で、快楽主義的で、遊び好きの夫妻がかもし出す、デカダンスな雰囲気に惹かれていき、学生運動などどうでもよくなります。 当初は信太郎に恋情を覚え、やがては雛子と信太郎という番いに恋していきます。 布美子は夫妻を、両性具有の一個の個体とみなしていくのです。 雛子はセックスフレンドとも言うべき男友達を複数持ち、しかもそれは夫公認で、信太郎は雛子の快楽の相手である男と平気で酒を酌み交わすのです。 そしてまた、信太郎と布美子が情を通じた後、それを知った雛子は祝福すらするのです。 なんという不道徳。 しかしその不道徳は、この小説...
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