文学 しゃべれども しゃべれども
昨日は静かに読書などして過ごしました。 読んだのは、「しゃべれども しゃべれども」。しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)佐藤 多佳子新潮社しゃべれども しゃべれども Blu-ray スペシャル・エディション国分太一,香里奈,森永悠希,松重豊,八千草薫TCエンタテインメント 20代半ばの、二ツ目の噺家、今昔亭三つ葉と、彼のまわりに集う個性的な人々の物語です。 劇的な展開があるわけはなく、一種の人情喜劇ですが、じつに読ませます。 三つ葉の元に、吃音に悩む青年、うまくしゃべれない野球解説者、口下手なために失恋した女、関西弁のためにいじめられる小学生らが、それぞれの悩みを落語を習うことで解決しようと奮闘します。 しかし、落語の指導をする三つ葉にしてからが、恋に仕事に悩みに悩む、一個の青年に過ぎません。 彼らはときに反目しあい、ときに語り合い、それでも素直になれずに相手を認める一言が出ない、やきもきするような人々です。 そのやきもきは、やがて、私たち誰もが抱えている人間心理の複雑さだと気づきます。 それに気づいたとき、この小説な圧倒的な迫力と、いとおしさをもって読者に迫ってきます。 良い小説で...